熊本と長崎を舞台に、同田貫推し必見の同田貫展示とスタンプラリーが令和7年2月2日まで開催中です!
歴史博物館こころピアで、開館30周年特別展「よみがえる同田貫-豪刀の誕生とその再興-」が行われています。
刀剣乱舞とコラボしていて、刀剣男士・同田貫正国の描き下ろしイラストや等身大パネル展示など、ファンにはたまらない企画が盛りだくさん。
そして熊本のこころピア、熊本博物館、島田美術館、長崎の島原城の4館を巡るスタンプラリー「肥後島原同田貫道中―海を貫く軌跡―」も同時開催!
肥後の名工・同田貫派の刀剣が4つの会場に集結し、その歴史と技術の深さをじっくり堪能できます。
それぞれに個性的な展示や特徴があり、同田貫派の再興にまつわる歴史や、普段なかなか目にすることができない貴重な刀剣の数々。
そして4館を巡ってスタンプを集めると手に入る限定特典もファン必見です。
また、旅の途中では、周辺の観光スポットも見逃せません。
熊本城では刀剣乱舞のイベントや刀ステにも登場した「闇がり通路」を探検。
刀ミュのパライソ推しならば世界遺産となっている原城本丸跡で歴史のロマンを感じる時間を過ごすのもおすすめです。
さらに、福岡にあるカルタックスおおむたでは三池刀剣の刀剣乱舞コラボ展示を楽しめます。
しかし、4館をどう効率よく回ればいいのか、見どころや周辺情報が分からないと計画を立てるのが難しいかもしれません。
この記事では、各展示会場の4館それぞれの展示の見どころや周辺観光地やグッズ情報、効率的に回るアクセス方法まで詳しく解説します。
刀剣の歴史と刀剣乱舞の世界観を満喫しながら、熊本と長崎を巡る特別な旅に出かけてみませんか?
こころピア—刀剣乱舞コラボ展示「よみがえる同田貫」の魅力と周辺スポット
熊本県玉名市にある歴史博物館こころピアでは、開館30周年特別展「よみがえる同田貫-豪刀の誕生とその再興-」が開催されています。
延寿派から分派した同田貫派の波乱万丈な歴史が、古文書や美術品を通じてわかりやすく解説され、刀工たちの熱意と技術がひしひしと伝わってきます。
さらに、描き下ろしイラストや等身大パネルなど、刀剣男士・同田貫正国の特別展示があり、刀剣や刀工の歴史を深く学びつつ、同田貫ファンにはたまらないコラボ要素も楽しめる展示でした。
会場の近くには三池刀剣とのコラボ展示がある「カルタックスおおむた」や、同田貫グッズを扱う「とんちんかん」もあり、ここでしか味わえない特別な体験と、お土産探しまで満喫できる一日が過ごせますよ!
刀工:同田貫派の歴史をたどる「よみがえる同田貫」展
「よみがえる同田貫」展は、同田貫派の始まりから再興まで、その波乱万丈な歴史をじっくりたどれる展示が魅力です。
今回の展示で特に驚かされたのは、延寿派から分派した同田貫派の複雑な背景でした。
刀剣だけでなく古文書や発注書なども通じて刀工 同田貫派について深く掘り下げられているのも今まで見てきた博物館では珍しいアプローチでした。
延寿派から分派した同田貫派の興り
「よみがえる同田貫」展の最大の魅力は、同田貫派の波乱に満ちた歴史をじっくりと追えるところです。
延寿派は、山城国から肥後に移り住んだ来国行の一門がルーツとされています。
延寿派の庇護者だった菊池家が滅亡し、その後台頭したのが延寿派の分派である同田貫派です。
同田貫が来派に縁があるのは知っていましたが、思った以上にがっつりと縁者だったので驚きましたね。
初代正國は加藤清正の庇護を受け、その作刀は戦場での実用性を重視した「実戦刀」として高い評価を得ました。
加藤清正が戦場や熊本城の常備刀として同田貫の刀を大量発注したという話も興味深いですね。
ただ、その清正から「出来が悪い」とダメ出しされたエピソードには、思わず笑ってしまいました。
どんなに実力があっても、時代や顧客の要求に応える難しさはあったのでしょうね。
ダメ出しの手紙を残しておくのは律儀だなぁと思いましたが、今でいうクレームメールですかね。しかも大口スポンサーからの。
それは…まぁ…扱いに困る特級呪物の公文書ですね…。
同田貫正国の作品は、戦国の荒波の中で多くの武将に愛されました。
ゲームで同田貫正国が言う「見た目なんかどうでもいい」というスタンスも、実戦刀として無骨な美しさを追求してきた同田貫派そのものを表しているように思えますね。
展示の目玉は、初代正國の作「九州肥後同田貫藤原正國」と、兄弟刀工とされる清國の作「肥州住藤原清國」。
加藤清正から一字ずつ貰った兄弟刀工と言われています。
これらが並べて展示されているのは非常に貴重です。
「よみがえる同田貫」展の後期でも兄弟刀そろって展示されているそうなのでぜひ見てください!
清国の刀派は実は断絶してしまったそうなので、兄弟の刀が隣り合わせで展示されているのを見て、「同田貫正国(ゲームの刀剣男士)」がどんな気持ちでいるのか、ふと考えさせられました。
衰退と復活—政勝と宗廣による再興
江戸時代の泰平の世になると、実戦刀としての需要が減り、同田貫派は衰退の一途を辿ります。
刀狩令によって一時は作刀技術すら失われてしまいましたが、9代目の正勝(政勝)が水心子正秀門下の技術を学び、新しい作刀技術を取り入れ新たな時代に適応した刀剣を生み出し。
刀狩令によって一時は作刀技術すら失われてしまいましたが、9代目の正勝(政勝)が水心子正秀門下の技術を学び、新しい作刀技術を取り入れ新たな時代に適応した刀剣を生み出しました。
そして、10代目 宗廣が、時代のニーズに合わせた美術刀へと進化させ、同田貫派を再興しました。
刀剣乱舞ファンとしては、水心子が出てきたのが「そこが繋がることあるんだ!?」と驚いたポイントです。
展示されている政勝や宗廣の作品には、初代正国の無骨さとは違う美術刀としての洗練が感じられます。
どちらが良い悪いではなく、それぞれの時代に求められた刀を作っていくという職人の柔軟さや生真面目さが伺えますね。
「仕事はちゃんとやるよ」ってやつですかね。
古文書や注文書など資料から読み解く刀工たちの思い
また、刀剣だけでなく、当時の刀剣注文書や古文書も展示されており、刀工たちが抱えていた現実的な課題や、職人としてのこだわりも読み取れます。
上の写真には10代目宗廣が江戸に勉強のため遊学し、多くの刀工たちと交流したとあります。
このときに大慶直胤とも交流したそうですね。
記録の中に「荘司直胤(=大慶直胤)」の名前が見えます。
個人的に面白かったのが、刀工宛ての注文書や手紙の展示ですね。
「こんな安価な値段で売ったら(師匠の値段以上に高値をつけられない)弟子たちが困る」と宗廣の師である沼田師匠からたしなめられる手紙や、「刀の価格が下がったから安価な鋼を探したい」なんて人間味あふれるリアルな悩みが書かれていて、現代の職人さんにも通じるものがありました。
一方で、安価な鋼を求めつつも刀の品質には妥協しない姿勢には、同田貫らしい職人気質が光っています。
刀工の家の設計図なんてのもありましたね。
6人家族で風呂トイレが3つは多すぎじゃね?と思わずツッコみました。
身を清める的な感じでしょうか。
他にも護神刀として奉納された同田貫の刀や、皇太子殿下の結婚を祝して打たれた同田貫もありました。
そして廃刀令に伴い鉄砲の生産地となったり、戦争が始まったことで軍刀としての需要の高まり、戦後に終焉を迎えていきます。
錆びてしまった秘匿刀剣の展示が心に刺さりました。
戦後のGHQに接収されないよう土に埋められ隠された刀剣を見て、当時の刀工や所有者がどれほど刀を大切にしていたのかが痛いほど伝わってきてうっかり泣いてしまいました。
戦国時代から現代に至るまで、同田貫が人々にとって特別な存在であったことがよく分かります。
初代正國から政勝・宗廣までの作刀が並ぶことで、戦国の荒々しさから江戸時代の洗練、そして再興への熱意まで、刀剣の進化を一度に感じられるのも大きな魅力です。
刀剣乱舞ONLINEとの特別コラボ
こころピアで開催中の「よみがえる同田貫」展では、刀剣乱舞ONLINEとの特別コラボ企画が目玉の一つとなっています。
展示内容だけでなく、刀剣乱舞ファンの心をくすぐる仕掛けが満載!
現地でしか体験できない「特別感」を存分に楽しめます。
描き下ろしイラスト&等身大パネル展示
こころピアの展示では、刀剣乱舞ONLINEとの特別コラボも大きな魅力の一つ。
エントランスに入ると、まず目に飛び込んでくる刀剣男士・同田貫正国の新規描き下ろしイラストと等身大パネルが訪れるファンを歓迎します。
その無骨なかっこよさが際立つビジュアルに、刀剣乱舞ファンのテンションは一気に上がるはず。
というか実際めちゃくちゃテンションが上がりました。カメラロールを見返すと入り口だけで10枚以上撮ってて笑いました。
同田貫正国の声優である櫻井さんのサインや写真もおすすめ!
櫻井さんは刀工 同田貫派のお墓参りにも行ってくれたとのことで、すごくうれしかったです。
コラボデザイン観覧券
さらに注目したいのが、刀剣男士・同田貫正国をデザインした特別観覧券。
コラボデザインの観覧券は、現地でのみ購入可能で数量限定のため、訪問の思い出としてぜひゲットしておきたいところ。
観覧券のデザインそのものがコレクションアイテムとしても魅力的ですし、手に取ると「来たぞ!」という実感が湧いてくるのがいいですね。
※注意点として、頒布予定数に達した場合は通常デザインに切り替わるとのこと。確実に手に入れたい方は、早めの訪問がおすすめです!
ミュージアムショップでは書き下ろしクリアファイル
パネルと一緒に展示されていた同田貫正国の書き下ろしイラストを用いたクリアファイルもおすすめ!
めちゃくちゃカッコいい同田貫正国が手に入ります。
あとは同田貫派の刀工や刀について歴史を冊子で持っておきたいなら図録もおすすめ!!
正直に言うなら同田貫グッズもっと欲しいので色々展開してほしいです!
ゲームキャラ同田貫正国だけじゃなく、「同田貫正国」という概念のグッズがほしい。
訪問をさらに楽しむ周辺スポット
- カルタックスおおむた:三池刀剣とのコラボ展示
- 玉名駅近く「とんちんかん」で購入できる同田貫グッズ
近くのカルタックスおおむたで三池刀剣コラボも!
こころピアからほど近い福岡県大牟田市の「カルタックスおおむた」では、同時期に三池刀剣とのコラボ展示も開催中です。
三池派の刀剣と同田貫の刀剣を並べて見ることで、肥後国と筑後国という近隣地域で発展した刀剣文化の違いを感じられるでしょう。
入場も駐車場も無料ですし、こちらも時間があればぜひ立ち寄りたいスポットです。
カルタックスおおむたは名前の通りに「カルタ」の博物館でもあり、室町時代にポルトガルから伝来して、最古に三池で作られたカルタから花札やトランプへと発展していった経緯を学ぶことができます。
つまりは大牟田は室町時代からポルトガルとの交易が行われるほどに海運業が盛んだった土地な訳です。
玉名や三池で刀剣作りが盛んだったのは、「海運業が発展していたから」という話しを聞いて目から鱗でした。
確かに良い鉄が取れる土地である備前や山城などで刀づくりが発展していきましたが、逆に時代が進んで物流が盛んになることで良い鉄を手に入れて発展していった土地の刀工もいるんですよね。
歴史や背景を知ると様々な出来事が繋がっていく面白さがあります。
熊本市内のこころピアから車で約30分ほどの場所に位置しており、公共交通機関を利用する場合は1時間ほどかかります。
最寄り駅からバスでのアクセスがおすすめです。
玉名駅近く「とんちんかん」で購入できる同田貫グッズ
同田貫グッズを手に入れるなら、「Creative T&とんちんかん」がおすすめ。
こころピアが市役所の近くにあるので、市役所から玉名駅行きのバスで行くことができます。
新幹線が停まる新玉名駅と間違えやすいので注意!
少し足を延ばせば、同田貫のタオルやトートバッグ、シャツなど、ファン心をくすぐるアイテムが揃っています。
12/21から再販予定のグッズもあるので、訪問の際はぜひチェックしてください!
店主の方に色々話も聞いてみました。
以前は玉名駅にも商品を出していたそうですが、担当者が変わって販売ができなくなったそうです。
なので「Creative T&とんちんかん」の本店で同田貫グッズの作成と販売を一手に引き受けることに。
こころピアの館内で販売も難しそうな感じだったのが残念(本店のスタッフが販売員として一人出向する必要がある、こころピアのミュージアムショップでの委託は難しい、人件費的にコストが負担など)
熊本市は「いだてん」推しっぽいんですが(市役所に垂れ幕いっぱいでした)、同田貫でもたぶん客を呼べると思うのでもうちょい頑張ってほしい…!と勝手ながら思ってしまいました。
「Creative T&とんちんかん」さんは現在はHPサイトやSNSなどは無いそうですが、送料面などの都合がつけば通販も考えたいとのことでした。(郵送会社と交渉中)
個人店舗でスタッフが少ないためSNSの運用までは出来て無さそうで大変だなという印象。
通販サイトの運営やSNS担当でもう一人雇えたらいいんでしょうけど、経営に関しては素人なので何も言えず…。
通販ができればめちゃくちゃ助かるのでぜひ頑張ってほしいです。
熊本博物館—熊本城城主と刀工の物語
熊本博物館は、熊本城に隣接する絶好のロケーションで、肥後の歴史と文化を深く学べる場所です。
ここでは、戦国時代から江戸時代にかけて加藤清正や細川家の庇護を受けた刀工・同田貫派の歴史をたどることができます。
加藤清正の影響で熊本城の常備刀として広く用いられた実戦刀や、時代を経て美術刀へと進化した同田貫派の足跡を展示で体感できるのが特徴です。
さらに、「闇がり通路」で知られる熊本城も近く、博物館とセットで訪れることで、肥後の歴史をより立体的に楽しめます。
熊本博物館の展示を通して、同田貫派の刀剣が刻んできた歴史の軌跡をぜひ追体験してみてください!
熊本城城主から庇護を受ける同田貫派
こころピアと同じように来国行から伝播していった同田貫派のルーツについての展示の他、熊本城主のお抱え刀工としての同田貫について知ることができます。
また、それぞれの刀に見どころが分かりやすく解説付きであったので目利き素人の自分にはとてもありがたかったです。
来館者にすべてを委ねるタイプも硬派でいいのですが、正直どこを見たらいいか分からないため「綺麗」、「格好いい」で感想が終わってしまうことも多く、説明文はあればあるだけ助かります。
加藤清正との関わり
加藤清正は戦国時代に活躍した武将であり、肥後熊本藩の初代藩主です。
同田貫派の初代刀工である正国とその兄弟刀工・清国に、加藤清正が彼の名から一字ずつ授けたエピソードは非常に有名ではないでしょうか。
加藤清正は実戦刀として高い評価を受けた同田貫の刀を熊本城の常備刀として採用。
多くの発注が行われたことで、同田貫派の名は全国的にも広まりました。
熊本博物館の展示では、清正に関連する甲冑や絵巻とともに、彼が熊本城主として果たした役割や、地元で「せいしょこさん」として親しまれる背景に触れることができます。
同田貫の歴史を語るうえで、清正の存在がどれほど重要だったかを再認識できる展示内容です。
また、同田貫派が加藤家の庇護を受けていたのは改易するまでの約2代ほどと知って驚きました。
そんな短期間で「折れず曲がらず同田貫」の名を知らしめたの凄くね!?となります。
あと個人でどんだけ量産したのかと慄きますね。
熊本城の常備刀には槍や薙刀も含まれていて、実戦で使われたのだろう同田貫の刀や槍、薙刀を見ることができました。
細川家との関わり
加藤家が改易された後、熊本城の新たな城主となったのが細川家です。
加藤家改易後は一時的に衰退した同田貫派ですが、9代目・正勝の代で刀狩令によって失われかけた刀工技術を蘇らせ、再び熊本城城主の細川家に仕官し勢力を取り戻します。
この再興の時代は、戦国時代に求められた刀剣の「実戦刀」としての役割が薄れ、美術刀としての価値が求められるようになった過渡期といえるものだったと思います。
熊本博物館では、これらの時代に作られた刀剣の展示を通じて、細川家の庇護のもとで再び栄えた同田貫派の足跡をたどることができます。
特に政勝やその子の宗廣が残した刀は、戦国時代の同田貫派の無骨さ荒々しさから一転し、優美さと洗練された美しさを感じさせるものが多くなっていきます。
刀文も直刃ばかりだったものから徐々に乱れ刃が増えていました。
同田貫派が加藤清正の庇護を受けていたのは有名ですが細川家とも関わりがあるというのは知らなかったです。
再興した同田貫派が次代に求められた実戦刀から美術刀へと変化していくのも、それが雅を愛し文武両道に長けた細川家に庇護されるようになったのも流れを知れば確かに納得できますね。
刀剣が持つ歴史的な重みと、時代の変遷を肌で感じることができるのが熊本博物館の特徴の一つだと思います。
スポット展示—同田貫の槍と薙刀
展示期間終了後にスタンプラリー延長に伴う特別展示
熊本博物館で開催されていた「同田貫展示」は2024年12月22日をもって終了しましたが、スタンプラリーの延長に合わせて特別展示が行われています。
この特別展示は、熊本博物館1階の常設展示室で新たに公開されている「大身槍」と「薙刀」の二振りが目玉です。
特に、全長236.3㎝という国内最長級の大身槍。
この槍は、加藤清正が若い家臣に武勲の褒美として与えたと伝えられています。
圧倒的な長さと重厚感を持つこの槍は、戦場での威圧感を想像させるだけでなく、清正の信頼や期待を感じさせる逸品です。
それだけの槍を作らせた同田貫派への信頼すらも伺えますね。
同田貫の武具は実戦での使用を前提として作られてきました。
機能を突き詰めた結果、目的を達するに一番合理的な造形がもつ機能美を有するのが同田貫だと思ってます。
「見た目はどうでもいい」ではなく、「機能性を突き詰めた結果としての美しさ」をもつのが同田貫正国という持論。
まぁ刀剣男士はほぼそうですけどね。
スポット展示で観られる槍や薙刀は、これまでの同田貫展示では公開されていなかったため、絶好の機会にぜひ観てほしい思います。
熊本城と「闇がり通路」—周辺観光スポットも充実
熊本博物館を訪れたら、ぜひ足を運びたいのが博物館からほど近い熊本城です。
熊本博物館で学んだ加藤清正の人物像や、同田貫派との関係性を踏まえて熊本城を訪れると、その壮大さや文化的な意義がより深く理解できるようになると思います。
熊本博物館とセットで訪れたい熊本城
日本三名城にも数えられる熊本城は加藤清正が築いた堅固な城郭として知られ、その壮大なスケールと歴史的背景が訪れる人々を魅了します。
ゲーム刀剣乱舞や刀ステ「綺伝 いくさ世の徒花」にも登場しており、刀剣乱舞の聖地の一つと言ってもいいでしょう。
熊本博物館で学んだ延寿派や同田貫派の歴史が、熊本城を訪れることでさらに鮮明に浮かび上がります。
特に加藤清正が庇護した同田貫派の刀剣が熊本城の常備刀として活用されていたことを考えると、博物館で得た知識と熊本城の実物が相まって、より立体的な理解が深まりますね。
刀剣乱舞で話題の「闇がり通路」を体験
熊本城の見どころの一つとして、刀剣乱舞イベントでも話題になった(審神者がキレ散らしたともいう)「闇がり通路」を挙げたいです。
「闇がり通路」は、熊本城の独特な構造の一部石垣に囲まれた暗く狭い空間が続く、まさに名前の通りの場所。
戦国時代の城内防御を体感できる通路として、ファンや歴史好きにとって注目のスポットとなっています。
「闇がり通路」を歩くと、ただの観光地ではなく、戦国時代の緊張感や防御の工夫を実感することができます。
その暗がりの中を歩いていると、まるでその時代に迷い込んだかのような不思議な感覚に包まれます。
島田美術館—小規模ながら多彩な作品群
熊本市にある島田美術館は、刀剣ファンにとっての隠れた宝庫。
特に同田貫派の刀剣をじっくり鑑賞したいなら、必見のスポットです。
展示では刀だけでなく、槍や薙刀、そして珍しい脇差といった多彩な刀剣を見ることができます。
小規模ながらも正国・清国・又八郎まで—同田貫派の多彩な作品群
島田美術館はその規模こそ小さいものの、同田貫派の多彩な作品を間近でじっくり観察できる貴重な場所です。
展示では、初代正国やその兄弟刀工・清国の刀剣、同田貫兵部や上野介の刀。
さらには又八郎が手掛けた大身槍や薙刀が並び、同田貫派の歴史と技術を体感できます。
特に注目すべきは「同田貫拵え」の分解展示です。
刀身と拵え(刀の外装部分)を分解して展示することで、通常は見ることのできないディテールを発見できるのが魅力。
この分解展示は、刀剣の構造を理解するのに役立つだけでなく、美術的な細部まで堪能することができます。
また、「同田貫上野介」は実は同田貫正国の晩年の作ではないか?という説があるそうです。
同田貫正国の刀に多くみられる直刃(すぐは)中心の刃文とは異なり、同田貫上野介の刀には乱れ刃が見られるなど遊びが施されています。
これが正国晩年の作なのか、別人によるものなのかは今も議論の対象ですが、いずれにしても一振り一振りが歴史の物語を語っているようです。
さらに、又八郎が手掛けた大身槍は、戦場での実用性を重視した同田貫派らしい迫力に満ちています。一方で、薙刀には優美な刃文が施されており、戦場での使用だけでなく、鑑賞品としての価値も感じさせる逸品です。
宮本武蔵ゆかりの展示もチェック!
島田美術館のもう一つの見どころが、宮本武蔵にまつわる展示です。
同田貫の刀は写真OKだったのですが、宮本武蔵に関連する資料や刀の写真は撮れなかったので、ぜひ現地で観てほしいと思います。
熊本で最期を迎えた武蔵は、この地で剣術だけでなく芸術にも多大な影響を与えました。
特別展示では、「五輪の書」関連の資料や、宮本武蔵ゆかりの刀「金重」が展示されています。(いつかとうらぶにも実装されるかもしれませんね)
武蔵の剣の哲学と、それを実際に具現化した刀剣を見ることで、彼の人生と思想に触れることができます。
さらに、館内では宮本武蔵のパネルと写真を撮ることができるコーナーもあり、記念にぴったりです。
休館日やグッズ情報—島田美術館の観覧ガイド
観覧を計画する際には、火曜日が休館日であることに注意してください。
博物館や美術館は月曜日が休館日のことが多く、間違いやすい点だと思います。
自分はそこからさらに島田美術館と熊本博物館の休館日を間違えて月曜日に熊本博物館、火曜日に島田美術館に足を運ぼうとするポカをやらかしました(区間距離が徒歩20分程度だったのが不幸中の幸い)
また、一時は売り切れになったものの年明けにアクリルキーホルダーなどの同田貫グッズが再販されました。
展示会限定のグッズを手に入れるのは、供給がお淑やかな同田貫推しにとって特別な体験になるはず。
同田貫グッズに飢えている方にはぜひ訪れてほしい美術館です。
小さなスペースながら、展示の質と内容は充実しており、刀剣ファンなら満足間違いなしの観覧スポットです。
アクセス情報とおすすめポイント
島田美術館は駐車場が無料ですが、駐車スペースが少ないため公共交通機関を利用する場合は注意が必要です。
熊本市内からのアクセスが良好なので、熊本博物館と合わせて訪れるのがおすすめ。
展示を見た後は、ミュージアムショップで限定グッズをチェックするのもお忘れなく!
島原城—初代同田貫正国の刀を目にする貴重な機会
熊本から海を越えた長崎の島原と同田貫との関わりはどんなものだろう?と疑問に思う人もいるんじゃないでしょうか。
実際、自分もそうでした。
島原城での展示の見どころは初代同田貫正国の刀と、島原の宝刀である二振りの太刀、そして再興した同田貫宗廣の弟子となり島原城の刀工として召し抱えられた延寿宗弘の刀です。
島原城では同田貫派が再興し、そしてそれを次代へと繋げていった足跡を見ることができます。
初代同田貫正国の刀と同田貫派再興の軌跡
島原城の展示で最大の見どころは、個人蔵から特別展示されている初代同田貫正国の刀です。
この刀は鞘や拵えも完全な形で展示されており、当時の装飾や実戦での機能性を想像しながら鑑賞することができます。
個人蔵のため、普段はなかなか目にすることができないこの刀を間近で観られるのは大変貴重な機会です。
同時に、同田貫派の再興に深く関わった10代目・宗廣の作品も展示されています。
宗廣は技術を磨き、同田貫派の名を再び広めた刀工で、多くの弟子を育てました。
その弟子の一人である延寿宗弘が島原城の刀工となり、ここで作品を残しました。
延寿宗弘の作である「肥前嶋原延寿宗弘」の刀も展示されており、再興後の同田貫派の技術が地域ごとにどのように受け継がれていったかを垣間見ることができます。
粟田口国綱作の宝刀「神息」「神気」を鑑賞
島原城で展示されている粟田口国綱作といわれる「神息」と鎌倉時代の太刀「神気」は、島原藩の宝刀として語り継がれる名品です。
これらの刀剣は、その名の通り神々しい輝きと刃文の美しさを備え、戦国時代の武士たちがいかに刀剣を尊び、信仰と結びつけていたかを物語っています。
「神息」は、鎌倉時代の作と言われ、気品あふれる地鉄の輝きと均整のとれた刃文が特徴的。
一方で、「神気」は銘を残すため打ち直す際に折り返した折り返し銘と鋭い切先が印象的です。
これらの刀が実戦での武器としてだけでなく、信仰や権威の象徴としても大切にされてきた点に注目してみてください。
島原城から周辺スポットまで:原城本丸跡(世界遺産)への観光もおすすめ
島原城自体も、歴史を肌で感じられる観光スポットとして見逃せません。
同田貫宗廣が再興した技術が、延寿宗弘をはじめとする島原の刀工にどのような影響を与えたのかを展示で知ることで、刀剣が地域文化に根付いていった過程を理解できます。
島原城を訪れたら、バスで約1時間の場所にある原城本丸跡にも足を延ばしてみてください。
この世界遺産は、「島原の乱」の最終決戦の地として有名で、歴史の重みを感じさせる静謐な場所です。
刀剣乱舞ミュージカル「静かの海のパライソ」の舞台としても登場し、ファンには馴染み深いスポットではないでしょうか。
スタンプラリー:4館巡りをもっと楽しく!おすすめ順路
ぜひ挑戦してほしいのが、熊本と島原を巡る「4館スタンプラリー」。
こころピア、熊本博物館、島田美術館、島原城の4館を訪れてスタンプを集めるイベントで、スタンプをすべて集めると達成感もひとしお。
この記事では、参加方法や効率よく回れる順番、そして特典について詳しくご紹介します。
スタンプラリーの参加方法
- スタンプシートの入手
各会場でスタンプラリーの台紙が用意されています。訪問時にスタッフに声をかけて台紙を受け取りましょう。台紙は茎を模したものになっています。 - スタンプの集め方
4館の展示を楽しみながら、館内のスタンプを押していきます。スタンプは茎に銘を刻むようにスタンプを押すという素敵仕様。 - スタンプが揃ったら…
スタンプを押した後に各会場の受付で記念カードを貰うことができます。すべての記念カードを集めたら、裏面で一つのイラストに!
このスタンプ台紙を茎にするアイデアめちゃくちゃ画期的だと思うんですよ。
今後刀剣関連のスタンプラリーには採用してほしいくらい気に入ってます。
スタンプラリーを効率よく回る順番と移動手段
4館を回るには、移動手段やルートを事前に計画するのが重要です。
電車やバスなど公共交通機関を利用しても回れますが、個人的には車(レンタカー)を利用するのが一番早いし動きやすいと思います。
おすすめの順番はこちら
①熊本博物館
②島田美術館
③島原城
④こころピア
①熊本博物館
まず①熊本博物館は熊本市内にあり、熊本駅から電車で行くことができます。
②島田美術館
そして②島田美術館は熊本博物館から徒歩20分くらいの場所にあります。(電車やバスを探すより歩いた方が早い)
③島原城
次の③島原城はフェリーに乗る必要があります。
ハードルが高そうに思えますが、片道1時間くらいで値段も1100円ほど。
高速船に乗ると片道30分くらいで1500円で乗ることができます。
事前予約も必要ないので、港の受付(船によってそれぞれ違う)で乗りたい時間の船のチケットを買えばOK。
島原港からはバスで島原城近くまで行くことができます。(自分が乗ったバスはICカードも新札も使えなかったので現金は準備しときましょう)
追加料金が必要ですが、車も一緒に船に載せることができます。
原城本丸跡はバスで1時間かかりますし、島原観光をしたいなら車があると便利です。
熊本港に無料駐車場があるので(島原港の駐車場は有料)特に観光予定がなければ置いていってもいいかもしれません。
④こころピア
そして最後に④こころピアは熊本港でなく、三池港行きの船に乗れば三池の展示があるカルタックスおおむたも近く、こころピアのある玉名にも電車とバスで行くことができます。
熊本港に戻って熊本市内からこころピアに行くというルートもありですね。こちらは車で50分くらい。
電車やバスだと1.5倍かかると考えていいと思います。
熊本と長崎という県も海も超えるため4館を巡るのは大変ですが、その分だけすべて集めきれたときの感動もひとしおです。
素敵なスタンプを押して回り、各会場で記念カードをGETしましょう。
まとめ:同田貫の展示で刀剣の歴史と魅力を堪能しよう!
熊本と島原を巡る同田貫展示の旅は、同田貫推しとして忘れられない体験となりました。
刀剣の歴史や職人の技術、そして地域ごとの文化を存分に楽しみ、またどの会場にもそれぞれの魅力があり、同田貫派の奥深さを改めて感じることができました。
熊本博物館では、加藤清正や細川家との関わりを通じて、同田貫派がどのように発展してきたかを知ることができました。
こころピアでは、刀工たちが苦労を乗り越えて再興を果たした熱意や歴史を感じ、感慨深かったです。
島田美術館では、同田貫拵えや宮本武蔵の展示が目を引き、刀剣文化の広がりに驚かされました。
そして島原城では、初代同田貫正国や粟田口国綱の刀を間近で見ることができ、感動のひとときでした。
4つの会場を巡るスタンプラリーは、展示巡りの楽しさを倍増させてくれました。
さらに、旅先で買えた同田貫グッズや周辺の観光スポット巡りも、良い思い出になりました。
実戦刀としての力強さと、美術品としての繊細さを併せ持つ同田貫派の刀剣。
そんな魅力を存分に感じられる今回の旅は、刀剣好きならぜひ体験してほしいです。
今回は初のコラボということもあり、ひょっとしたらまだ慣れない点もあったのではないかと思います。
次回の展示やイベントがどんな内容になるのか、今から楽しみで仕方ありません!
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