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歌舞伎初心者によるネタバレ感想レポ!新作歌舞伎「刀剣乱舞~月刀剣縁桐~」

刀剣乱舞

日本の伝統芸能・歌舞伎から新作歌舞伎『刀剣乱舞~月刀剣縁桐~』が、ついに公開されました。

豪華なキャスト陣が演じる舞台は、ファン待望の新たな刀剣男士たちの物語を描いています。
歌舞伎本丸の彼らであるからこその物語を知っていただきたいと思います。

本記事では、新作歌舞伎『刀剣乱舞~月刀剣縁桐~』の感想とあらすじをネタバレ込みでお届けします。
舞台のあらすじや演出による臨場感、キャストたちの演技力、そしてラストのカーテンコールのシーンまで、細かくレポしていきます。

新作歌舞伎『刀剣乱舞~月刀剣縁桐~』の素晴らしい舞台と感動的なストーリーに興味をもっていただけたら幸いです。

あらすじ・概要

月刀剣縁桐つきのつるぎえにしのきりのは

 次期将軍である足利菊幢丸きくどうまると妹の紅梅姫こうばいひめの命を奪おうと、時間遡行軍が襲い掛かりますが、三日月宗近たちがこれを防ぎます。やがて松永弾正の助力もあって菊幢丸は元服し、足利義輝を名乗って将軍となりますが、魔物に取り憑かれてしまいます。
 一方、弾正の嫡男の松永久直はそんな義輝を諫めますが……。

公式HP

歌舞伎の本丸に顕現する刀剣男士は、三日月宗近、小狐丸、同田貫正国、髭切、膝丸、小烏丸の六振りです。
題材となっているのは、十三代将軍足利義輝が討たれた〝永禄の変〟ですが、この歴史的事件を歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色されています。

足利義輝といえば三日月宗近の最初の主とも言われる人物です。

元の主への情と歴史を守る使命による苦悩と情動が描かれています。

キャスト

三日月宗近尾上松也
足利義輝
小狐丸
尾上右近
松永久直
同田貫正国
中村鷹之資
義輝妹紅梅姫
髭切
中村莟玉
膝丸上村吉太朗
小烏丸河合雪之丞
異界の翁澤村國矢
異界の嫗市川蔦之助
山口左司馬大谷龍生
弾正奥方柵中村歌女之丞
善法寺春清大谷桂三
松永弾正中村梅玉

舞台情報やとうかぶTVなど解説動画などを紹介しているのはこちら

ネタバレ感想

時系列に沿って当時の書き散らしをまとめてみました。
素人の感想満載なのでだいぶ違うところもあるでしょうがご笑覧いただけますと幸いです。
明らかな間違いなど御指摘あると助かります。

開演前

客席で歌舞伎について軽くレクチャーしてくれる押彦さんと武彦さん。

YouTubeでも思いましたが流石にしゃべりがうまいですな。
武彦さんの声の抑揚が特徴的というか、素人ながらも歌舞伎らしさを感じてしまいます。
そして数多の審神者が気になった点だと思いますが、着物の柄がこんのすけの模様と一緒なんですよね。
こんのすけみたいな補助役だからかな?

大向こうの声かけのやり方について説明してくれます。

「歌舞伎に普通はカーテンコールはない」
「もしもカーテンコールがあればそのときに大向こうの声をお願いします」

いやそれどう考えてもカーテンコールあるやつ。

一段落したところで、チョンチョンと木を打ち鳴らす音。
これが「附け」っていう効果音でしょうか?音は違う気がする。と思ったら「 」というもので、調べたら拍子木を2本打ち鳴らして音を出すのだそうです。

この音がするのが幕開け、幕間、場面転換などの合図だそうです。
木の音がめちゃくちゃ澄んでて、こんなに綺麗に響くんですね。

審神者の舞~刀剣男士の名乗り

押彦・武彦さんやっぱこんのすけ!!

歌舞伎本丸の審神者も重厚感がある方ですな。

というかぶっちゃけ歌舞伎本丸の審神者かっけえ!!!三条宗近なのかもしれませんが!!

時間遡行軍の狙いは室町時代・永禄年間で松永弾正の命を狙い足利義輝を生き永らえさせようとするのだろうというこんのすけたち。

審神者は時間遡行軍の策略を阻止するため刀剣男士たちを呼び出します。

「我が付喪神たる刀剣男士たちよ目を覚ますがよかろう」

…っっかっこよ!!しかも槌を打つ音じゃないですか!?

和楽器の生演奏と相まってめちゃくちゃ雰囲気いいです!

刀を台に乗せて注連縄の中で審神者が神に捧げるように舞を舞います。

刀剣男士を呼び出す神楽舞のようです。
このあたりはたぶん古典歌舞伎から引用されてる気がする。

槌をだした!小鍛冶じゃん!?(歌舞伎ど素人です)
待って刀を打つところからなの!?なんだそれかっけえ!!

相槌を打つ両隣にいるのが鍛刀妖精ちゃんかな?

鍛刀は神下ろしみたいに鍛刀ちゃんが打った刀に付喪神を下ろすイメージだったんですが、歌舞伎本丸では審神者が舞いながら槌を振るって鍛刀ちゃんが相槌を打って依り代となる刀を打つんでしょうかね。

刀ミュでは神である刀剣男士が舞い踊り歌を奉納して審神者の呼びかけで顕現していましたね。

各本丸ごとの召喚方式あるの燃えますなあ。

槌を打つ刀が赤いのは(ライティング?)まだ焼き入れしてるからでしょうか?細かいなあ。

いや待て早着替え!?審神者が三日月に!?

三日月ー!!!
こんな感じの励起もいいなあ!!

歌舞伎本丸素晴らしいな!(開始10分)

名乗りがこれまたカッコ良すぎるんですよ。

月の剣はすなわち三日月 闇夜を照らす月光に 星輝けど勝つことあたわず

その先駆け役は 花の都の刀鍛冶 名に負う三条宗近が 天に輝く三日月を刃紋に映す 

三日月宗近

伊勢なる神の遣わしめ 八咫烏の加護を受け 刀鍛冶の開祖たる あの天国あまくにが打ちたる業物 

両刃もろはづくりの古さ故 刀の父と呼ばれたる 平家の重宝 小烏丸

いにしえよりの名刀が お顔を揃えるその中へ 割って入るも恥ずかしながら 新刀ゆえの実戦刀

形は武骨に見えたれど 肥後の住人正国が 鍛えし業物 同田貫正国

髭切:またその次に連なるは 源氏十代の宝にて 羽風はかぜ鋭く髭を斬り 

膝丸:両膝もろひざかけて落つるという 

髭切:二本無双の

源氏:兄弟剣 

髭切:頼光阿尊の四天王 武名轟く源氏綱 鬼人きじんかいなを切り取って 鬼切丸の異名をもつ 兄 髭切

膝丸:蜘蛛の振る舞い断ち切るため頼光阿尊が用いし名刀 蜘蛛切とも称さるる 弟 膝丸

さて殿しんがりに控えたは 三条小鍛冶宗近が 時の帝の勅命を受け 月のまどころ伏見なる宇迦之御魂大神うかのみたまのおおかみに 稲荷の神を相槌に 迎えて打ったる 小狐丸

七五調で聞いてて心地いいのはなぜでしょうね。日本人の魂か?
所々聞き取れなかったところもありますがだいたい合ってるはず!

それぞれがせり上がってくる登場シーンで源氏兄弟が二振一緒に現れるの良いですな。二振一具ふたふりひとそなえですよ。

同田貫は江戸っ子口調というかべらんめえ口調というかめちゃくちゃ合いますね!?
名刀の中に割って入るも恥ずかしながら…やばい格好良い。
兜割の逸話をもつ同田貫が「割って入る」の表現最高じゃないですか?
イメージとしては石川五右衛門です。

小狐丸はもふもふです。連獅子を思い出すんですよ(歌舞伎素人です)

「さて刀剣乱舞始めるとしよう」の台詞!

うわぁ…!めっちゃテンション上がる!!

時間遡行する先は永禄年間。足利義輝の時代。
審神者は三日月に何か思うことがあるのかと尋ねるが心配無用と三日月。

三日月の剣舞をオープニングに始まります。
これ近侍曲かあ!?アレンジ素晴らしいな。というかめちゃくちゃ豪勢。

幕の使い方も上手い!
ライティング?プロジェクションマッピング?桜が散る様子も綺麗です。

主要人物との邂逅

まだ将軍になっていない足利義輝とその妹たちが荒れ寺で過ごしているところに時間遡行軍の襲撃。

時間遡行軍めちゃくちゃアクロバット!?

ワイヤーアクションで客席の上を飛ぶ時間遡行軍とか初めて見ましたよ!

そこに割って入る刀剣男士!

三日月、小烏丸、同田貫、膝丸

小狐丸と兄者は足利兄妹です(早着替えの速度がエグくないです??)

姫君になった兄者めちゃくちゃ可愛い。

宗近と名乗る三日月に自分の愛刀 三日月宗近と同じ名だなと喜ぶ兄 菊幢丸

13代将軍になっていない頃です。

荒屋に住まう自分の部下になってほしいという義輝に部下にはなれないが近くで守りましょうと誓う三日月。

菊幢丸を守ると言った三日月。
同田貫と膝丸が何か言いたげに膝を立てて立ちあがろうとするのを押し留める三日月とそれを見つめる小烏丸。

この流れで三日月の独断と元の主に近づきすぎる三日月に物申そうとする(若輩な)同田貫と膝丸、超然と流れを見つめる小烏丸という図が分かりますね。

そこへ松永弾正が花道より登場。

梅玉さん御年80を超えているのに貫禄がすごい。
松也さんが梅玉さんが参加してくれたおかげで格が上がったというのが分かりますね。

菊幢丸を次代の足利将軍として都へと迎えに来たとのこと。歴史の転機のその一つです。

場面が変わり、怪しい仮面をつけた異界の翁、嫗の老夫婦が現れます。

彼らは足利菊堂丸に呪いをかけてやろうと注連縄をかけられた呪いの封印を解いていきます。
唐突の呪いと異界の住人!呪いが普通にあるあたり歌舞伎世界だなぁと思います。

封印を解いた途端に若返り?力を得た描写だろうけど早着替えエグいすごい👏

ひょっとして早着替えって歌舞伎舞台必須だったりします?
刀ミュの江おんすていじで豊前が一人二役の早着替えしまくってたのも新喜劇じゃなくて歌舞伎リスペクトだった?人形浄瑠璃とか古典も出て来てましたし。

刀剣男士の舞

更に場面が変わって将軍となった兄と姫君。
兄妹の舞も雅で華やかです。二人一緒に舞っているのもいいですね。

荒れ寺に住んでいたときとは衣装も装飾も部下の数も段違いになってます。

将軍就任の祝いに兄妹から松永弾正に舞うよう命じられるも何故か刀剣男士へパス。

ぶっちゃけ松永弾正(中の人の梅玉さん)の舞も見たかったですが。

歌舞伎本丸だと刀剣男士が全振り舞えるという事実に五体投地で感謝を捧げたい。
いや全振り舞えるという言質はないのですが、同田貫が舞えるなら舞えるでしょう(暴論)
いつか長船派や伊達組の舞をお願いします。課金します。

紋の入った扇いいなぁ欲しい。グッズで出ませんか?5000円まで出します。

それぞれが順に舞っていくのですが三日月は流れるように優美で美しいです。

三日月の次は膝丸。

三日月は優美でしたけど膝丸は振りが早くて大きいです。
たまに足を踏み鳴らしたり扇を閉じて刀みたいに扱っていて、扇舞というよりは剣舞に近い気もしますね。

小烏丸は妖艶!片手に扇、片手に実の成った枝を持って舞うのたおやかだあ。
持ち枝をもって踊るの個人的に藤娘を思い出します(日本舞踊ちょっとやってました)
首をくいっと傾げる色っぽさはなんだ国が傾くぞ。

同田貫は膝丸よりも多く足をダンダンと踏み鳴らして見得を切って荒々しいな!
でもずっと音を立てて踏み鳴らしているわけじゃなく、無音との緩急がすごい。
膝丸よりも扇を閉じて刀みたいに振る仕草が多いので、たぬきはきっと剣舞で乗り切ろうとしてる!

格好いい…!たぬきの舞が見れるのもめちゃくちゃレアです!!ありがとうございます!!

うちのたぬきも舞えますか!?すていじ作るからやってくれないかな!?DIYするよ!?

それぞれ個性が爆発してるの素晴らしいですね。

三日月は流れるようで、小烏丸は妖艶で、膝丸はテンポが早くて機動の速さが分かります。
同田貫は足を踏み鳴らして荒々しい。

同じ振り付けでもそれぞれ違うんですよ。
イメージとしたら小烏丸が一番丸いというが動きが柔らかい、その次が三日月で、膝丸や同田貫になると手の振りや動きが直線的というかビシッ!キリッ!としてる。一番直線的なのが同田貫。

4振り揃って舞うときは目が足りないですが全振り違う印象の振付なの素晴らしいな。
振付担当の尾上菊之丞さんありがとうございます!

そして有識者によると同田貫が持っている扇は舞扇ではなく軍扇ぐんせんのようです!

確かにたぬきの扇には北斗七星が描かれてましたがまさか「武将が陣中で指揮に用いた扇」とは…!

一差し舞ってくれと頼まれたら三日月や小烏丸はもちろん雅なことは分からんと言いたげな膝丸も同田貫も舞える。
同田貫は舞扇なんて典雅なものは持ち歩いていないから軍扇と剣舞寄りの舞で代用するのめちゃくちゃ解釈一致です!!

最高かよ…。これには歌仙も雅判定だしますよ。
歌舞伎本丸の同田貫、雅さと無骨さのマリアージュがヤバくないですか??

ここまでくると兄者と小狐丸の舞も見たいですな。
いや、足利義輝と紅梅姫としての舞も素晴らしかったのですが、刀剣男士としての舞はまた絶対違うじゃないですか。(後になって源氏兄弟の剣舞があるのを知らない)

急転直下

病床の足利義輝の見舞いに松永弾正の息子 久直(同田貫の人)が来訪します。

足利義輝は頭に布を巻いています。
あれは「病鉢巻やまいはちまき」といって、薬効のある薬草で紫に染められたものだそうです。
歌舞伎でも「病人」を示す分かりやすい小道具ですね。

原因不明の病…あの異界のものたちの呪いでしょうかね。

そんな義輝の元へ病を治してみせましょうと数珠をもった修験者っぽい人が…果心居士かしんこじ!?
うおお!知ってる有名どころ出るとテンション上がるな!どう考えても怪しいけど!

果心居士の加持祈祷により病が治った義輝。

怪しい祈祷師だと思っていた松永久直に「さあさあさあ!」と言い募る果心居士。
うわこの手のやりとり聞いたことありますね。歌舞伎あるあるなのかな?

松永久直も仕方なく果心居士の力を認めるも、さらに怪しい女(くもい姫)を義輝に勧める果心居士。

うわあ果心居士めちゃくちゃ悪役ムーブ。

自分はぶっちゃけると爆弾正のイメージが強すぎて松永弾正が悪役だとずっと思ってたんですが、まさかこうなるとは。

席を辞した果心居士の元へ源氏兄弟が現れる。

「おことらは何者で?」

自分を怪しんでいるんだろうが、おぬしらも人ではないだろうと嗤う果心居士。

妖斬りの太刀が揃って出るってことはたぶんそういうことなんだよな~。
先鋒を務める源氏太刀、さすがの隠蔽値と偵察値~。
(ゲームのステータス:機動は膝丸が早くて髭切はのんびり、隠れる値は髭切は低いが膝丸は高く、敵を見つけるのは膝丸は苦手だが髭切は得意という互いを補完し合うステ)

真っ先に斬りかかろうとする膝丸とそれを押し留める膝丸。
挑発に乗っちゃう膝丸かわいいね!

ていうか曽我兄弟を踏襲してますかなコレ?
源氏兄弟で曽我兄弟はシンプルに源氏双騎履修組を刺しに来てないですか?

果心居士とくもい姫が時間遡行軍と繋がりがある異界の者たちだと客席に分からせにくる迫力がすごい。

花道にあるスッポンから退場していったからやっぱり人ではないのでしょうね(主に人外の登退場で使われるらしい)(明治座の記憶)

月明かりの中の逢瀬

兄者がまた姫君に!早着替えやっぱ凄いな!?

紅梅姫と三日月の逢瀬が美しい…。

宗近の瞳は月が写っているようで月を見上げると心がざわめくと言いながら歌を贈る姫。
惚れるよねわかる。
三日月たちが兄妹の護衛になってしばらく経つだろうしね。

三日月は最初の狩衣のような衣装ではなく紋付き袴になってます。
足利義輝の元で過ごした時間の経過がわかるファンサービス!

諦めてくださいと伝える三日月に何度も振り返りながら侍女に連れられて立ち去る姫君。
あのふわふわ兄者がこんないじらしい姫になるのかぁ…。

未練を残させない優しさでもあるね。

そして今度は三日月と義輝の会合。お前ら兄妹だなと変なところで納得してしまいました。

天に輝く月のような澄んだ心で支えてくれる頼もしい家臣として、改めて仕えてくれぬかと望む義輝に目を逸らす三日月。

姫のときと同じようには断れんのか…。

それでも義輝の道行を願っていると伝える三日月に、笑いながら空を見上げて見目麗しい三日月だなという義輝。

三日月の名前は伝えていないはずなのに、足利兄妹にとって宗近はやっぱり月のような男なんでしょうな。

モテモテだな三日月。

そして大変だなぁと現れる小烏丸たち。

膝丸と同田貫が血気盛んなちょっと未熟というか若武者なとこもあるのめちゃくちゃ好(ハオ)

そこへやっと現れる小狐丸たち(早着替えお疲れ様です)

三日月:小狐丸と髭切は何故あまり姿を見せんのだ?

小狐丸:我らは影で時間遡行軍と戦っておったのだ!少しは察せよ。我らは(兼役で)ことさら忙しいのだ!

せやな!!

三日月と小狐丸が舞台上で並ぶことが少ないのは残念ですけどもこれ以上ない納得と笑い。

互いに呼び捨てで割と雑な扱いしてる男兄弟っぽい三条組は珍しいし楽しいからもっと見たかったんですが。

兄者:たまには弟の………名前は忘れたが弟と離れたいこともあるのだ

弟:あにじゃ〜(泣き声)泣いてはおらぬ泣いてはおらぬぞ…!

可愛いな!!
お約束ありがとうございます!!

泣いてる膝丸を慰めるみたいに傍に寄っているのが同田貫なのも良いです。
歌舞伎本丸だと膝丸と同田貫が仲良いですな。

配信日によっては同田貫が肩を叩いたり本体の鞘で突っついたりと気安い仲の良さがとても可愛い。

キャストの兼役についてはこちらも参照してください。

義輝と三日月

善法寺で義輝と果心居士とくもい姫が鷹狩をしている場面。

殺生を禁じている寺社での鷹狩りを諫めようとする善法寺春清を処罰しようとする義輝。
それを止めようとする松永弾正の息子 久直。

果心居士から松永弾正に謀反の疑いがあると唆された義輝は処刑する替わりに松永弾正の役職を外して蟄居ちっきょを命じます。

義輝の代わりに久直を血が出るまで打ち据えるくもい姫。
それに抗おうとする久直でしたがその抗いすら謀反だとして処刑しようとする義輝。

こんな無法をさせているということは義輝はすでに異界の翁たちに取りこまれてしまっているのが分かりますね。終わりに向かうのが分かる辛さよ。

義輝の無法を止めに入る三日月。その三日月にすら義輝は剣を振ろうとしますが、結局三日月を斬ることは出来ない義輝は部下を連れて去っていきます。

そして未来世を守るため足利義輝を討つことを久直へ伝える三日月。

足利13代将軍を松永弾正が討つことが歴史だと、お前が言うのか…かつての主を討つことを…。

松永弾正の見せ場と久直の健気さを見てくれ。

個人的に松永弾正が忠義に厚いすごい忠臣として描かれているの新鮮(爆弾正ばかり見てる弊害)

松永弾正が兵を率いて永禄の変を起こそうとするそのときに、対峙するのは果心居士とくもい姫vs源氏兄弟。

蜘蛛の装束ですが!?蜘蛛の化身とかそういうやつ!?
膝丸!!お前の専売特許だ!!と叫びましたよね。

名乗りもしたからね、フラグ回収だ蜘蛛切!!

殺陣が映える〜。
ミュやステとかみたいな、というか現代的なスピードのある殺陣とは違うんですが、いわゆる「魅せる」殺陣というのかな。
場面を切り取って絵にできるような、決めポーズというか動きをピタッと止める箇所が随所にあります。
写真映えする瞬間でしょうあれは!
昔だったら歌舞伎絵とか役者絵とかが描かれてたやつだきっと。

化け物になった異界の老夫婦と相対する刀剣男士。
大太刀だ!?

義輝を討たなければならない苦しみを小狐丸たちが思いやるの良いですな…。

刀剣男士というのは他の誰にやられるよりも、せめて自分の手で元の主を討ちたいと願うものなんでしょうか。

小狐丸たちが戦うところをもっと見たかったですが三日月VS義輝(小狐丸)を思うと致し方なし。
もっと殺陣を見たかった!ですが!三日月と義輝のラストも最高です!心が二つある~。

女性の琵琶の弾きすごいです…歌舞伎ってこういうのもありなんだ?(普通を知らぬ素人)

舞台転換のためもあるんだろうけど素晴らしい。

三日月宗近と義輝

鬼のような隈取りをした義輝と周囲に突き刺さった多数の刀たち。

それらの刀を次々と引き抜きながら松永の兵たちと立ち回る足利義輝。

剣豪将軍 足利義輝の最期だ…。
今はもう創作だとして扱われることは少なくなってしまったのですが、包囲された足利義輝は「三日月宗近」「大包平」「大典太光世」「鬼丸国綱」「不動国行」などの名刀を畳に突き刺して敵と斬り結び、血に濡れて切れ味が悪くなるたびに畳に刺した他の刀を抜いて応戦したという逸話があります。

剣豪将軍の名の通りの雑兵を圧倒する殺陣。

敵兵を倒しきった義輝のもとに果心居士とくもい姫が小狐丸たちに負け、力を失って元の老人の姿で助けを求めに来ます。
しかしあまりに変わった姿に2人を討ち取る義輝。

呪いをかけた者たちを討ち取ったゆえに呪縛が解け、晴れ晴れとした心持の義輝と対峙する三日月。

悲伝思い出して具合が悪くなりそうです。悲伝の直後だったら寝込んだかもしれん。

声も無く和楽器の音の中で切り結ぶ一人と一振り。

歌舞伎本丸の三日月宗近も、強いですね。

足利義輝は四方から押さえつけられて串刺しにされたとも言われています(なので花影で秀吉が義輝の刀だった鬼丸国綱を不吉な刀と恐れた)が、三日月宗近を使って自害したという逸話もあり最期ははっきりしていません。

三日月宗近を使って…ます、ね。
どの説をとられたとしても地獄でしかないですが、こっちかぁ…と頭を抱えた人はきっと他にもいる。

どうか彼らのやり取りは本編をみてほしい。

「我らが別れに相応しい見目麗しい三日月じゃな」

最期まで三日月の名を知らずとも美しい三日月のような男だと思っていたのかもしれないですね。

足利義輝様、お見事でした。

刀剣タイムというか、エンディングで出てきた6振りの並び

     三日月

  小狐丸   小烏丸

 髭切   膝丸   同田貫

かな?解答ください有識者ー!!

カーテンコール

カテコありがとうございます!!写真撮影裏山!!

写真タイムは意外と短いのでスマホは電源を落とすよりも機内モードが良いと思います。

同田貫ー!可愛い!!

三日月にけしかけられて花道を疾走する同田貫!

花道でニコニコ笑顔で鬼ファンサする同田貫!

花道に行ったまま舞台の緞帳が降りて花道に1人取り残される同田貫!

刀を振るって堂々と花道から退場する同田貫!

かわいいな!!

とうとう同田貫がファンサする世界線になったんですね。

同田貫正国がトレンドに乗ったのもありますし、刀ミュでも同田貫正国はいかがですか??

最後までお手振りしてくれる三日月もよきです。

緞帳が閉まるまでしゃがんで客席に手を振る膝丸もファンサ精神にあふれた個体。

歌舞伎ではカーテンコールはないそうなので、こんなにファンサしてくれること自体あまりないのではないかと思います。
あったとしてもピースサインする梅玉さんとか優雅な投げキスする松也さんとかレアな気もする。

配信の無いときのカテコで花道で髭切がこけそうになったあとに膝丸が花道(床)をぺしぺし叩いて怒っていたりだとか、松永弾正が髭切の頭を撫でていたり(中の人たちは親子)、中の人が最年少組の膝丸と同田貫は仲が良さげですね。

花道ですれ違う時に三日月宗近と膝丸が鞘当てしてしまって、互いに柄に手をかけるような一触即発な場面も!
演者さんすごい…。確かに刀剣男士は刀が魂(本体)だけど偶然の出来事からとっさに動けるの「そうである」ものだと常日頃から認識してるってことですよね。
古典歌舞伎の歴史と積み重ねた技量と経験の一端を知った気がする。
そこで仲裁に割って入る(!)のが今作の刀剣男士の中では最年少の新刀かつ実戦刀な同田貫というのも良きです。
静まり給え古刀。

カーテンコールでは写真撮影のほか、大向こうの掛け声をすることができます。
舞台上で耳を向けて呼ばれ待ちをしてたりします。欲しがりさんか。

役名であったり屋号だったり様々。
役者名を呼ぶときは同じ苗字が何人もいるので下の名前で呼ぶのがいいそうです。
三日月と小狐丸は同じ尾上なので「松也さん」や「右近さん」という感じ(この二振りが同じなのが同派みを感じて大変エモい)

屋号一覧はこちら

役名役者屋号
三日月宗近尾上松也音羽屋おとわや
足利義輝
小狐丸
尾上右近音羽屋おとわや
松永久直
同田貫正国
中村鷹之資天王寺屋てんのうじや
義輝妹紅梅姫
髭切
中村莟玉高砂屋たかさごや
膝丸上村吉太朗美吉屋みよしや
小烏丸河合雪之丞白兎屋しらとや
異界の翁澤村國矢紀伊國屋きのくにや
異界の嫗市川蔦之助高島屋たかしまや
山口左司馬大谷龍生十字屋じゅうじや
弾正奥方柵中村歌女之丞成駒屋なりこまや
善法寺春清大谷桂三十字屋じゅうじや
松永弾正中村梅玉高砂屋たかさごや

  

呼び方はなんでもいいわけではないと思うのですが、それぞれの本丸での愛称や距離感の近い呼び名もあるでしょうからちょっと難しいところもありますね。

三日月宗近を「じじい」や「おじーちゃん」呼びとかありますがそれも愛ですし。

自分は同田貫を「たぬき」と呼びたい。8年呼んでる最推しの愛称です。

小烏丸に「父上」や三日月宗近に「国宝」なんて声もあります。それらを失礼と思うかどうかは個人の考え方次第なんですよね。

ただ屋号に付けるとその屋号の方々に波及してしまう可能性が無きにしも非ずというか…。
個人的にエゴサ屋でなくエゴサ丸ならいんじゃね?と思う派

場に合ったものか、本人が嫌がってないか、それらは徐々に周知されていけば良いなと思います。

あと歌舞伎の呼び方で素敵だなぁと思ったのが「○〇じょう」という呼び方ですね。名前に付ける○○様みたいな敬称とのことです。
丈は「たけ」とも読むので、名前に付けることで「あなただけ」という意味になるそうです。
最推しに言うやつですね?
音のエモさに萌え転がります。
正国丈って呼んでもいいのかな???

新作歌舞伎「刀剣乱舞~月刀剣縁桐~」の感想まとめ

新作歌舞伎「刀剣乱舞~月刀剣縁桐~」のネタバレありの感想レポでした。

人生で2回目に見た歌舞伎(超歌舞伎はペンラありでしたが)の感想まとめになります。
少しでも興味がわいた方がいたら嬉しいです。

新作歌舞伎「刀剣乱舞」が気になっている人はチケットがあればぜひ観劇していただきたいなと思います。
千穐楽の配信もあるので興味のある方は見てみてください!

ライブ配信

DMM TVにて下記3公演のライブ配信+見逃し配信があります。

◆配信公演
2023年7月2日(日)16:30公演〈初日〉
2023年7月27日(木)12:00公演
2023年7月27日(木)16:30公演〈千穐楽〉

7/2初日配信はスイッチング:3800円
7/27楽日昼配信は全景:2200円
7/27千穐楽はスイッチング:3800円
7/27の2公演FULLセット:5500円

配信チケットのご購入、配信内容の詳細は以下のサイトをご覧ください。

少し心配しているのが、歌舞伎はDVDやBlu-rayなどの円盤になることが少ないのだそうです…。
刀剣乱舞は出してくれる…と信じたいのですが、ワンピース歌舞伎やFF10でも円盤になっていないと知って動揺してます。

映画館で放映されたシネマ歌舞伎ならワンチャンあるようですが。

シネマ歌舞伎化決定しました!!!(2023年8/21)

ありがとうございます!!
劇場で見れる!
そして円盤化の可能性が出てきた!!
ありがとうございます!!

また、松竹の公式サイトではグッズやブロマイドの通販も行われています。

ブロマイドはネット限定もあり、ランダムでなく好きなものを選べるという素敵仕様!

なおブロマイドは143枚あります!ちょっと想定外すぎたのですが最高には違いない。

通販サイトの143枚の最後のページには演者が誰も映っておらず、6振りの刀と月のブロマイドもあるんですよ…。
言葉にできないエモさがあると思う。
個人的に月明かり(ライト)で同田貫が輝いてるのも好き。

グッズ内容や通販サイトなどはこちらも確認してみてください。

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