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舞台「刀剣乱舞」禺伝 矛盾源氏物語の初日ネタバレ感想【刀ステ】

刀剣乱舞

舞台「刀剣乱舞」禺伝 矛盾源氏物語が公開されました!

2/4の初日公演のネタバレ感想です。

深掘りしすぎた解釈や考察もありますが、解釈違いもこれはこれとして楽しんでいただけたらと思います。

女性キャストの刀ステはあまりにも覚えのある刀ステでした。(地獄み溢れているともいう)

今までの刀ステを補完するサイドストーリーのような形なので、見なくても大丈夫とは思いますが、見たらより刀ステが楽しめることになる作品です!

目に見えた悲劇が積み重なって情緒が死ぬというよりは深掘りや解釈の仕方で見える地獄が変わってくるというか。

特に綺伝が好きな人は情緒がめった刺しにされるやつです。

あとはジョ伝のような入れ子構造になった複雑で重厚な物語が好きな人にもおすすめ。

禺伝のあらすじ感想

美が猛威を振るって全方位から殴ってきます。

宝塚ファンの方々はなんであの「美」を日常で浴びて生きていられるのか…。

まずネタバレのない感想をあげると↓になります。

  • 美の指定暴力団「一文字」
  • 七海ガラシャ様と歌仙のエモさに死ねる
  • 歌仙と大倶利伽羅は言い合いができる仲の良さ
  • 女性キャストだからできた物語であり女性キャストだからこそエグ味が増す稀有な作品
  • 安心安定の刀ステ(地獄)
  • 南泉一文字が可愛い癒し枠&ツッコミ
  • 今までの刀ステ本丸とは別本丸、別個体
  • 大倶利伽羅の黒歴史(正直笑った)

では以下よりネタバレ感想になります。

ネタバレ感想~序盤から美に圧倒される

OPの刀剣男士たちと十二単の群舞が美しい。

これは全景が映えると思います。

美が猛威を奮って全方位から殴ってくる。

美に圧倒されるのは勿論なんですが、プロ意識というのか、一糸乱れぬというのか。

統率され、かくあれかしと望まれた方々の〝本気”を魅せてもらったようで震えました。

OPとEDの演舞だけでも見てほしい。

宝塚出身以外の人もいるはずなのに全員の揃い具合、足の上がり具合エグい…バレエが必修科目なんですね??

一文字則宗の足が真上に180°上がってて、ヒェ…って声が出た。

自分は一文字則宗に沼ってしまって、中の人(綾凰華さん)の宝塚時代のおすすめを教えてもらって初の宝塚を観たんですけども。

全員に無駄な動きが一切ない。

例えば髪が顔にかかってしまったりだとか衣装に乱れがあったりだとか、普通ならつい直したくなるような触ってしまうような場面でも一切触らない。
何もなかったように演技を続けてる。

激しい殺陣やダンス、歌の直後から息一つ乱さず麗しさを保って台詞を続けるのも当たり前。

勿論ステやミュだって舞台上で高いプロ意識をもって臨んでいるのだけど
宝塚の人たちにプロ意識と言ってしまって良いのか分からんのだけど
凄まじい矜持を垣間見た気がして圧倒されました。

こう…美しい白鳥🦢は足元では必死に泳いでるってのを思い出します。

でも、魅せたいのは努力している姿ではなく舞台上の完成された美しい夢物語だって、微笑みながら当然のことみたいにそっと差し出してくれた気分になりました。
勝手な感想なんですけどもね。

禺伝は綺麗でおぞましく、麗しくて怖い作品でした。

まさか源氏物語でこんなテイストに仕上げるとは思わなかったです。

良体験をありがとうございます。

まず女性キャストという点が気になってる人が多いと思います。

声は高めですし、確かに最初は違和感もありますが、話し方や抑揚はかなり寄せてくれてますし、自分は聞いているうちにほとんど気にならなくなりました。

個人的に声が一番近いと思ったのは南泉。でもみなさんめっちゃイケボ。

殺陣は今までの刀ステが膂力で静から動への緩急をつけたスピード感と迫力を魅せてくれたものなのに対し、禺伝では境目が少ない流れるような動きで、所々にダンスの技法も取り入れられているようですね。

男性キャストと比べるとやっぱり殺陣の迫力には劣りますが、それが逆に流麗な舞のようで美しく、源氏物語という平安の美しい物語であることや彼らの魅せ方に合ってると感じられました。

というか、全女性キャストで殺陣を削ることなくここまでやってくれたことに驚きました。

時間遡行軍の人とか甲冑でバク転してましたが??

そして刀剣男士たち全員そうなんですが、殺陣を魅せた後に客席側にスッと視線を残して去っていくのなんなんですかね?
あの目線に殺されるんだが??
宝塚ファンの人たちは何であの美を浴びて以下略

女性キャストであることに意味がある物語

女性キャストだからこそ、源氏物語でここまで出来た作品ではないかなと思います。

光源氏は煌びやかな平安の物語ではあるけれど、現代の価値観からするとかなり倫理観がログアウトしたイケメンなドクズになってしまうんですよね。

光源氏「私は美しいから許される」

何処ぞの海賊女帝を思い出しましたね。

いやホントに…一分の隙もなく美しいのはその通りです。

母親そっくりな人妻(父親の後妻)に恋して枕を共にして子どもまで作って
正妻がいるのに相手の女性が既婚未婚を問わず手を出して

(当時の女性は一人で身を立てる手段がないため男に養ってもらうのは普通のことで、皇室である光源氏と関係をもつのは未婚女性からしたら当時のベストエンドではある)
(重婚がダメな法律もない)
(当時の貴族社会の考え方からしたら気のない女でも捨てずに養う光源氏はパーフェクト貴公子)

初恋の養母にそっくりな10歳の少女に一目惚れして最終的に攫って自分好みに育てる(光源氏計画)(洋画だと近いのはマイフェアレディですかね)

これを男性キャストが演じたとして、生々しさと気色悪さと嫌悪感をカケラも感じないかと言われたら…正直なところ分からないです。

源氏物語のコミカライズ「あさきゆめみし」にモヤッた人は分かってくれそう。

ヅカ出身かつすべてが女性キャストだからこそエグさが緩和され、女性キャストだからこそ物語を現実として生きる女性たちの地獄さが際立ってしまう稀有な作品だと思いました。

これを末満さんが書いてるのがヤバいですね。

作中で歌仙たちは紫式部の周辺に異変があると平安時代の都にやって来ます。
しかしすでに紫式部の姿はなく、そこは本来の歴史ではなくなっていました。

紫式部の友人である小少将の君には源氏物語の登場人物である弘徽殿女御こきでんのにょうごであるという設定が付与されるなど、源氏物語というテクスチャを張り付けられた偽りの歴史。

このまま源氏物語が物語の枠を越えて歴史になってしまうことを止めるため、源氏物語の話の流れを壊そうと矛盾を起こすべく行動していくことになります。

なるほど、矛盾源氏物語。

源氏物語の登場人物は本編では話のストーリーに縛られてしまいますが、行間ではある程度は自由に動けるため、行間の間に歌仙たちは登場人物たちに干渉してなんとか話の筋を変えようと奔走していきます。

行間を読むとか言いますが、ガチで無いはずの行間を見てる観測者(観客)の構図が面白いですね。

歴史修正主義者ではなく、物語の守護者たちと相対する歌仙たち。

………唐突に文アルが刺さったのは気のせいかな??

這い寄る不穏さと漏れ出る地獄

源氏物語という強い(歴史があり、人々に知られていることで存在の強度が高い)物語に対して、自分たちの物語や逸話の重要性を語る刀剣男士たち。

歌仙と大倶利伽羅が元主と呼ぶ人が違うのめちゃくちゃザワザワしましたね。

え…は…?なに…??みたいなジワジワくる怖さ。

歌仙がガラシャ様を元主と呼ぶの、七海ガラシャ様を思い出してエモさに死ねるのに不穏さがすごい。

大倶利伽羅が自身を徳川の刀と呼ぶのも「伊達政宗の刀だった」という物語が丸ごと抜けてるんだ。

本来とは違う逸話をもっていることも「矛盾」なんだろうな。

ということを考えてたら

顕現実験用擬似本丸!!!!

怖い単語でたんだが!!??

偽りの物語を付与された刀剣男士の実用と観察する実験本丸というのがまず怖い。

そして偽りの物語を付与されたものの「一文字」として意識が強く確立した一文字一派が他の男士たちを観測する立場なの辛すぎると思いますが!?!?

時の政府くんそういうとこだよ!!!!

円環にいる三日月宗近を追いかけてるんだな。
それだけあの三日月は規格外なんだな。
刀剣男士にとっての物語のあり方による存在強度の観測も必要性は分かる確認大事だよね合理的だね。

だからってアイデンティティクライシス待ったなしなんじゃが???

无伝を思い出しましたね…。

下手すりゃあ自己喪失・自我崩壊もあり得ただろうに…。

マジで実験本丸なんだな…と怖くなりました。

いやまぁ観測者が一文字則宗をはじめとした一文字派なのはある意味納得です。

「沖田総司が振るった菊一文字」という物語を本当のことだと混同してる人が多く、創作が歴史を侵食しかねない強さをもった逸話から励起された一文字則宗は今回の任務に適任ですねこの野郎。

一文字則宗はこの物語が歴史に成り代わろうとしている「矛盾源氏物語の登場人物たち」と存在強度がほぼ同じなんですね。

それを含めての実験でもあるのでしょうが、時の政府くんマジ有能すぎて人の心がない。

そんな一文字派の面々も本来とは違う逸話が付与されています。

姫鶴は「上杉から黒田に送られた逸話」
山鳥毛は「幽霊を切った逸話」 

確かに戦闘時のセリフが違ってて、所々でアレ?となってましたよ…。

一文字則宗「大将首は昔から一番の名誉だ」(小烏丸のボス到着ボイス) 

姫鶴一文字「敵が何であれ、切るだけだ」(へし切長谷部のボス到着ボイス) 

山鳥毛「かぎなれた匂い、血の匂い、戦の匂いだ」(にっかり青江のボス到着ボイス) 

この本丸では日光一文字も顕現してるようですが、どんな逸話が付与されてるのか不安しかないですね…。

この、決定的なことは何も起きてないはずなのに、じわじわと滲み出すような怖さと怖気…。

今までと違うはずなのに覚えのある地獄ですねぇ。

ここは美しい地獄の片

自分が見た限り南泉一文字に該当セリフがあるか分かりませんでしたね。
猫の呪いは変わらずあるようなんですが、どんな逸話なのか気になります…シュレディンガーのにゃんせん。

追記:南泉に付与された逸話については大千秋楽で分かりました。

物語を破綻させるために光源氏を退去させようと、光源氏に成り代わろうとする歌仙。

しかし物語の頁に巻き取られてしまいます。

文字の描かれた布の演出が上手すぎる。

舞台上を飾る装飾かと思いきや、その布を巻き付けることで物語の設定に取り込まれてることを表現するの秀逸。(演出がマジ雅、というカスな語彙力の賛辞しか浮かばないのでちょっと勉強したい)

光源氏として振る舞う歌仙に大倶利伽羅が「お前は細川ガラシャを元主にもつ歌仙兼定だ」と呼びかけ、歌仙は意識を取り戻すのですが…その逸話もちがうんですよ…。

偽りの設定を偽りの逸話で淘汰していく概念バトル(そして本来の逸話を知ってる周囲は地獄)

そして次は大倶利伽羅が光源氏の設定に取り込まれてしまう。

偽りの逸話によって励起された刀剣男士は、ひょっとして基盤というか根幹が弱いということがあるんでしょうか?

洗脳されやすいというか、存在の根幹が揺らぎやすいというか。

光源氏になった大倶利伽羅を元に戻すべく歌仙、姫鶴、南泉が縦に並んで「せーの、おーくりからー」と呼びかけるところが三団子みたいでめっちゃ可愛い。
しかしそんな三団子に斬りかかる光源氏(大倶利伽羅)

南泉「すげー大倶利伽羅が残ってる光源氏だな!?」

歌仙光源氏→雅な光源氏
伽羅光源氏→好戦的な光源氏

南泉「あんな光源氏どうかと思う」

(それな)(マジそれ)

笑いました。
にゃんせんのツッコミが冴えますね。

割と地獄めいた展開なんですが一服の清涼剤のよう。

幼女を口説いて光源氏計画しようとする歌仙兼定とか。
饒舌に女性を賛美して女性宅に押しかけようとしてる大倶利伽羅とか。

正直に言うとめっちゃ笑いました。

普段とのギャップがデカすぎて笑うしかないともいう。

(特に大倶利伽羅)(歌仙の雅教育はまだありそうと思える)

大倶利伽羅の黒歴史じゃないですかねコレ。

なんなら一文字則宗が光源氏になったらと想像しましたがダメですね。
審神者が。
ここはベルサイユ宮殿?ベルサイユの菊です。
止めろ落ち着け僕は正気だ。

ただこれは女性キャストだからまだ許せるって層もいるのではないかと思います。

男女間の生々しさがないというか。

もしも男性キャストだったら、光源氏という設定に取り込まれた歌仙兼定や大倶利伽羅が女性を口説くの受け入れ難い人いそうです。

江ミュでの浜路お嬢さんはあの浜路お嬢さんだから受け入れられた人もいるんじゃないでしょうか。

自分も刀ミュで物語の設定上とはいえ「愛する〇〇」って台詞にモヤッた記憶。

(ガチ恋してなくてもアイドルの恋愛に複雑な心境になるドルオタの気持ちが魂で理解できましたね)

そういえば刀ミュ最新作は「新たな物語を作る」話でしたね。

かたや刀ステでは「物語を破綻させる」話…。

リンクのさせ方が相変わらずエグイですね…そういうとこだぞ(呻き声)

大倶利伽羅のド修羅場と歌仙兼定の逸話

源氏物語と歴史が入り混じり、登場人物たちが物語にはない意志をもって動いていく。

いやまぁ…確かに源氏物語の女性陣からしたら光源氏許せんってのはめちゃくちゃ分かるんですよ…。

でもその…女性陣が取り囲んでる光源氏、大倶利伽羅なんですよ…。

何も知らない大倶利伽羅を襲うド修羅場。(大倶利伽羅の黒歴史パート2)

物語は佳境なのに笑うに笑えん状況です。

女性陣に激詰めされている最中に、光源氏の設定が剥がれて本来の「伊達家にあった刀」だという逸話を思い出した大倶利伽羅。

それはそうというか、「女性に浮気を責められる大倶利伽羅」とかもう字面からしてバグでしかないですからね。

違和感しかない逸話・設定は剥がれるのも早いでしょう。

逆を言えばほとんど最後まで偽りの逸話が剥がれなかった歌仙は「細川ガラシャの刀だった」という逸話が馴染み過ぎていたのでしょうね。

「これが僕の物語…」と愛し気にガラシャ様との逸話を抱きしめていた歌仙は、ひょっとしたら偽りの元主ガラシャへ向ける思慕と本来の元主が妻へ向けた心とを混同してしまったのかもしれません。

細川忠興が妻の玉へ向けた心と、歌仙兼定が元主ガラシャへ向けた心が(恋ではなく比重として)近かったから、細川忠興の刀であった歌仙兼定は最後まで違和感を感じられなかったのかもしれないと思いました。

だからこその本来の逸話を取り戻したときの「玉さま―…っ!!」と叫ぶ歌仙の切実な声音だったのではないでしょうか。

彼女との逸話を、偽りものだと拒絶することすら苦しいのか。

歌仙に当たっていたライティングが桔梗の紋(ガラシャ)だったものが九曜(細川忠興)に囲まれながらも、結局は桔梗紋は消えなかったんですよ。
本来の逸話を思い出しながらも細川ガラシャとの逸話を手放さなかったのか、これは解釈が分かれるところでしょうね。
自分は、手放さずに抱えていてほしいと思いました。

ここで一文字派の面々は二振が本来の逸話を取り戻したことを喜んでいるようなんですよね。

実験本丸の監視員だったけど、やっぱり不本意ではあったんでしょう。

雲隠

黒幕はぶっちゃけると源氏物語の強火ファンの暴走。
強火担は…下手したら自分どころか周囲やジャンル自体を燃やすよね…という。
明日は我が身というか、図らずも覚えがあるというか…互いに気をつけましょうね…。

えー、真面目に感想を述べます。

最終決戦に向かう前の歌仙の気勢を上げる「物が語るゆえに物語と言うだろう!」がめっちゃくちゃ格好いい!!
主人公の死が暗示された白紙の「雲隠」本編に僕たちが結末を刻み付けると言わんばかりの歌仙!まさに部隊長!!

ラスボスが歴史改変を望んだ理由も分からなくは…分からなくはないんですよね。
いやどう考えても厄介強火オタクではあるんですが。

昔の仏教の教えでは「嘘は地獄に落ちる」と考えられていたんですね。

そして実際の物事を歌にする和歌や日記、随筆などではない、「創作の物語」も「地獄に落ちる嘘である」と考えられていた訳です。

源氏物語の強火オタク名もなき男が「素晴らしい源氏物語の作者が地獄に落ちることがないよう源氏物語を歴史にしよう」と画策した源氏供養の改変が今回の歴史修正の発端です。

源氏物語の作者である紫式部からはそんなことは望んでないと言われちゃってますが。

それでも、最後まで貫き通したのいっそ見事。
(でも若紫にさせようとしたのは許さん)(歌仙よくやった!と思わず叫びました)

そして歌仙兼定も、そんな名もなき男が成したことをあえて見逃しているんですよ。

物語が歴史になるかどうかは名もなき男にとっても歌仙たちにとっても賭けのようなものでしょうが、放棄された世界線になるかもしれない危険を冒しても歌仙はその賭けに乗った。

南泉が「敵を見逃したから政府に処分されるかも」と言ってる辺り、やっぱり彼らのいる実験本丸は政府の権限が強いでしょうにね。
時の政府くんちょっと本丸裏に来てくれるかな???

歴史は歴史、物語は物語であると信じたいと歌仙は言います。

歌仙自身のものとされている来歴と後から実験で付与された偽りの逸話のことを差しているのでしょうか。

難色を示すメンバーの中で、一文字則宗だけが歌仙の行いを肯定しているんですよ。

歌仙兼定と一文字則宗は偽りの逸話を付与されたものの、その偽りすら愛した二振です。

この行為を時の政府への復讐なのでは?と考察されてた人もいましたがめちゃくちゃ納得しましたね。
本来の物語にしても偽りの逸話にしても勝手に弄られてそれに対して何もせず何も言わずに済ますほど気性の穏やかな刀じゃない。
なんなら時の政府を相手どってカチコミしないだけ穏やかですらある。
復讐と言わないまでも意趣返しくらいの考えはありそうです。

しかし物語は物語、歴史は歴史と言ったのと同じ口で自分の生きている現実が物語か分からなくなったと歌仙は言い、それでもたとえ自分たちの戦いが物語なのだとしてもこの物語に寄り添ってくれる人の心に報いたいと誓う歌仙。

刀ステに限らず2次元媒体のある舞台は2.5舞台と呼ばれます。
2次元を超えてきた、3次元に近い存在、その中間として2.5舞台と自然発生的に呼ばれたものです。

そして舞台と現実との間にもまた壁が存在します。
観客は舞台上のことを偽りの物語だという前提で観劇します。

そんな中で歌仙は舞台と観客とを隔てていた第四の壁を越えてこちら側へ声を届けてくれたように感じました。

いやまぁ舞台上から観客側へ次元の壁を越えて問いかける手法は今までにも他の舞台でも確かにあるんですよ。
シェイクスピア原作の「真夏の夜の夢」とかそうですし。
それでも物語や逸話を根幹にもつ刀剣男士たちがそう言ってくれたことに心揺さぶられる審神者なのです。

最後らへんの考察は数日たってようやく出せましたね。
観劇直後は歌仙が生きてた。実在した。刀剣男士はリアルもはや3次元。とかしか呟けなかったので。

愚伝

予告PVで禺の字が入ってる漢字が出てきました。

「偶、遇、寓、隅、耦、愚」

まさかコレ全てであらすじを説明してるとは思いませんでした。

禺の意味は尾長猿と、人形。ようは「人の形に似たナニカ」

  • 々、彼らの本丸で歴史修正に跳んだ先が然にも源氏物語の世界で
  • な扱いを受ける女たちにい、彼女たちが蜂起する物語であり
  • 人でない物を人に例えながら教え諭す話であり
  • 地獄の一
  • (グウ)は2人が並び、向き合うこと、つれあいを意味し
  • に心を与えたかな物語

禺(人形)に心を与えた愚かさをあの場で唯一の人間が口にするエグさよ…。

刀剣男士を刀の木偶人形と嘲りながら、心を与える愚かさを憐れんだ人がいましたが、本当にそうですよね。

南泉も歴史を守る任務の大切さを分かりながらも、「俺たちって損な役回りだよな」と呟いていました。

心がなければ辛くなることはないでしょうに。

人形を意味する禺に人偏を付ければ人の真似をした木偶(でく)になり

禺(人形)に心を加えたら愚

たまに禺の字が出なかったのか愚って書かれてることがありますけど、本当に愚伝でも間違ってないんでしょうね。
自分はもう「愚伝」って見ると「人間は…愚か…」と情緒が掻き回される体になりました。

禺伝はサイドストーリーというか、今までの刀ステの物語を補強するものだと思います。
ついでに時の政府のなりふり構わない鬼畜さもよく分かる話です。

刀剣男士たちはそれぞれが逸話や物語を軸に顕現していて、極修行でも分かるように各々が自らの物語と向き合ってそれらを補強して強くなって帰ってきます。

本編で終わりなき円環のように戦い続けている現状を打開するには、物語によって強くなった刀剣男士の力が必要と示唆されました。

今回の禺伝では偽りの物語を付与しても強くなれるかどうかの実験を行っていた訳ですが(実験という字面が怖い)

しかし本来の物語に勝るものはないと逆に証明されてしまいました。

偽りではない本来の逸話と、刀剣男士たち自身が培ったそれぞれの本丸で積み重ねた物語こそが重要なんだと知らしめることが禺伝で一番伝えたかったことだと思います。

そしてこの先には新たな物語を得るべく山姥切国広の単独行が始まるという…

半年以上先なのにすでに胃が捻じ切れそうなんですが??

その前に感謝祭もありますが楽しみと同時に恐ろしいんですが。

女性が刀剣男士である矛盾

源氏物語に矛盾を起こし崩壊させなければならないという矛盾

本来とは違う逸話を与えられた、物語を根幹にもつ刀剣男士たちという矛盾

様々な矛盾を抱えた悍ましくも美しい物語でした。

ありがとうございました!!

  

禺伝のキャラ感想

禺伝の刀剣男士たちもあまりにも彼らでした。

美しく、自身の逸話と物語にも翻弄される様に心が掻き回される彼らを見れて最高です。

刀剣男士について

歌仙兼定

偽りの逸話を付与された七海歌仙の元主は七海ガラシャ様で、そりゃあ面影があるというかあって当然というか。

刀ステくん人の心の抉り方をよくご存じですね…?となります。

納得しかないキャスティング。

最後らへんの歌仙と綺伝の歌仙、そしてガラシャ様がすべてリンクしていくの鳥肌が立ちます。

七海歌仙は和田歌仙の殺陣とそっくりなのに、合間合間にガラシャ様の面影が見えてエモさに死ねる。

七海さんが科白劇と綺伝でずっとずっと見続けて受け続けた殺陣でもあるんですよね。

しかしながらそんな歌仙であっても細川忠興の影響がデカすぎるというかなんというか。

時間遡行軍10振に同時に斬りかかられても腕力で拮抗する文系ゴリ…。
「力がないと文系を押し通せない世の中さ…世知辛いね…」
敵をぶっ飛ばした後に皮肉気に寂し気に笑うのカッコいいし雅です。

文系とは?

腰を落として殺陣の重心が低く、パワー系なのが見てわかります。
時間遡行軍が殴ってきたときは「無作法ものがぁ!!」となるし、斬りつけてきた相手は「万死に値するぞ!!」
どう足掻いても首を差し出せ案件になるの強い。

文系とは??

例えガラシャ様との逸話を付与されたとしても根底にある本来の元主の影響が強すぎるの笑いとエモさでどんな表情をしたらいいのか。

大倶利伽羅

大倶利伽羅は殺陣ヤバいな!?と思ってたら綾凪翔さんは宝塚時代は土方歳三やルパンの石川五右衛門役などを成された人だとか。

和物の殺陣の経験豊富なんだなと納得。

雪男と呼ばれてて一瞬イエティが脳内を駆け巡りましたが、光源氏の人が花組の男とか花男と呼ばれてるのでつまりは雪組の男?
雪組の男は殺陣やアクションが飛び抜けてるって概念でよろしくて??

実際、雪組の男たち(大倶利伽羅、一文字則宗)の殺陣はかなり安定感がありましたね。
相手の太刀筋を避けるときに首だけスッと傾けて体捌きだけでいなす仕草とか強者感に溢れててめっちゃ好きです。

この禺伝伽羅は、任務であるなら老若男女問わず「斬れる」刀です。
それだけの覚悟をもって歴史を守る刀剣男士として戦っているんだとその強さに見惚れます。

意志の強さと声音も含めて今まで見た大倶利伽羅(ミュ・ステ・アニメ含め)の中で一番オラつきと雄みがあったとすら思いました。

なのに所作は美しいので脳がバグりますね。
お辞儀が片足を下げてピンと背筋を伸ばして頭を下げるの、あれなんですか宝塚の標準装備ですか美しいですね。
無銘刀の大倶利伽羅ですが、決して粗暴ではないんですよ。彼は伊達の刀なんですよ。
強さと荒々しさと美しさを兼ね備えるとか、まさに大倶利伽羅。それを表現できる綾凪さんにありがとうございますと言いたい。

口調はぶっきらぼうなのに女たちが襲われそうになったら真っ先に助けるしスッと前に出て庇おうとする伊達男。

伊達の刀だという認識がないときですらそれなので、もはや大倶利伽羅の素は伊達男なんですよ。

ここも歌仙と同じく、「本来の元の主の影響が強い」ということでしょうかね。

山鳥毛

一文字一家のお頭です。

刀剣乱舞を知らない方は、刀派:一文字はヤのつく自由業のイメージだと思っていただけたら良いかと思います。
一文字の面々の台詞には「カチコミ」「出入り」「討ち入り」「シノギ」等等あり。
(何故かは審神者も知らぬ…)(ギラッギラの刃文から派手な柄シャツはまだわかる)(福岡一文字で福岡のイメージがヤとか言われたら納得しつつもパイナップルぶん投げざるを得ないんだが)

山鳥の毛並みのように微細な刃文からその名がついたという逸話があります。

山鳥毛の「ご婦人」という呼びかけが聞けるのは禺伝だけ。

女性のエスコートが堂に入ってるんですよ。これはお頭。

なお審神者(ユーザー)への呼びかけは「小鳥」

目線を下に下げてグラサンの隙間からチラリと目が見える威圧感がイメージなのですが。

対して禺伝の山鳥毛は少し体を屈めてグラサンを下げ、上目遣いを見せてくる。

可愛さと格好良さのハイブリッド。

観客をから揚げにしてくるお頭に慄くしかなくなります。

彼らの中では一番の高身長を活かした迫力。股下2m。

姫鶴一文字

レディース総長と呼ばれた姫鶴がリアルに顕現した…。

麗しくて気怠げだけど「カチコミだ!」とか言っちゃうとこまさに一文字派。

御前に姫ちゃん呼びされて嫌そう~にするの可愛い。

そんな自分はあだ名をつけて他の刀を呼んでますが、歌仙のことは「かぁ⤴ちゃん」と呼んでるのもまた可愛いです。

殺陣は回転というかクルクルと舞いながら身軽に打ち合っていきます。
鳥の羽ばたきが聞こえるのがめちゃくちゃお洒落。

なるほどこれは鶴丸とは別種の鶴。

姫鶴一文字の逸話には「上杉謙信が自分の背丈に合わせて刀を短く磨り上げようとした際に夢の中にツルと名乗る姫が現れて磨り上げを止めるよう懇願した」というのがあるため夢に所縁が深い刀なんですよね。

そんな姫鶴が葵の上の死に際の夢枕に立ちながら「死んでからも夢が見れたら良いのに」とせめて幸せな夢を見てほしいと情を傾ける様が本当に優しい刀だと思いました。

南泉一文字

可愛い。

いやマジで可愛い。

これはにゃんせん。

舎弟というよりは一文字の末っ子です。

立てかけてあった刀に触れた猫が真っ二つになってしまったことと、中国の故事「南泉斬猫なんせんざんみょう」から南泉一文字と名付けられた刀です。
語尾に「にゃー」とついてしまったり仕草が猫に寄ってしまうため、猫の呪いだと南泉は嫌がっています(しかし可愛い)

上手い言葉が見つからないときやよく分からないことがあったときについつい壁を引っ掻いてしまうの可愛い。

山鳥毛に叱られて「ごめんなさい…にゃ」ってなるとこマジで仔猫。

お頭大好きなとこはワンコっぽいのに。

小少将の君と並ぶ禺伝の癒し。

姫鶴のことも「姫鶴のアニキ」と呼んで慕ってるけど姫鶴の影に引っ込んで盾にするくらいの気安さはあるの、可愛がられてる自覚のあるネコチャンみ溢れてて良き。

御前に対しても「頭打った?」とか「図太い」とか普通に言っちゃうし、一文字則宗とは完全にじじ孫。

光源氏に対しての小気味いいツッコミに全同意。

「やべーなコイツ」

「じゃあ引き下がれよ!」

光源氏へのツッコミぜんぶ好きです。

任務に対して真面目だけれど情に厚くて苦しさを表に出す姿に逆に安心します。

悲しみや苦しさを飲み込むやつ多すぎなんよ…。

一文字則宗

一文字一家の御隠居。
自らをジジイというがこんな麗しいジジイがいるか。

エッグい角度で突き刺さってしまった私的今作一番の沼。

新たな推しが出来ました。

ビジュ公開から沼の予感はしてました。

以下はだいたい当時のパッションのままの叫び。

一文字則宗はビジュアル公開の時点で優勝🏆

完璧でした

ありがとうございます

あの流し目に死ぬる

女性キャストがやってて受け入れられるかどうか不安はちょっとあったけど杞憂でしたね

殺陣は迫力というよりは柔らかい感じではあるんだが、あのふわふわした一文字則宗には合ってるんだよ

元から見た目がベルばら、中身はいつでも正月の隠居ジジイ

シェイクスピアなんかの外つ国の物語にも造詣が深くて博識な辺りも最高

隠居して有り余った時間を使ってるんだな感が素晴らしい

役柄の解釈が感じられるし深掘りが捗りますありがとう

声はやっぱり高めだけどイントネーションや抑揚とかめっちゃ寄せてる

鷹揚で余裕がある元お頭みが感じられてベネ

なのに戦闘に入ると凄絶に笑みを浮かべて刀を振るう武闘派なんよ

笑顔は威嚇とか言うがマジだな惚れそう

なんならちょっとテンション上がってヒャッハーしてるの可愛いなバッサバッサ斬り倒してるけど

って、いやいやいやいや
あ゛ー!!!!
くっっそ、この一文字則宗ぇ!

お前お前構えが天然理心流じゃないか!!

思わず見返したわディレイ配信ありがとう!!!

沖田総司に纏わる逸話から顕現していながら、実際には違う、作り話だと嘯く御前。

どんな顔でどんな声で言ってるのかと思ってたけどまさかまさか沼に突き落とされてから「解」を突きつけられると思わんかった。

いやスイッチングですら表情が隠れて見れなかったのある意味で命拾いしたのかもしれない。

大千秋楽で万一にも一文字則宗の表情を魅せられたら情緒が死ぬかもしれん。

沖田総司に纏わる物語は実際には自分でなく加州たちだと言うくせに、そのくせお前構えが天然理心流じゃんか。

加州や安定と同じ、沖田総司の流派じゃんか。

刀の付喪神である刀剣男士が、その刀を振う型を「ただひとりの人」に寄せてるのは一体どんな感情でどれだけの重さなんだ。

沖田総司が所持した菊一文字であるという偽りの逸話を付与されているのが一文字則宗なのエグイ。

そしてそれに関わらず…一文字則宗には沖田総司が得意とした三段突きが出来なかった…。

2段の突きまでしかできずそのまま劣勢に追い込まれるの地獄でしかないんですが。

偽りの逸話を付与された歌仙たちを見守るときには「骨なき物語が力をもつか見定めよう」と俯瞰した物言いをしていた一文字則宗。

そんな彼が自らの偽りの逸話が崩れ劣勢になってしまう際には諦めたような自嘲を浮かべてるんですよ。

一文字則宗「骨のない物語には限界があるようだな…ここまでか」

(諦めるな。暗転すな。表情を隠すな。お前どんな顔して言ってんだ)

その後の流れ含めて「創作上の沖田総司に寄せた物語」という逸話をもつ一文字則宗にとってあまりにもあんまりだ。

人の亡骸を抱えながら悼み、物語上の死であっても「哀しいさ…」と応えるあの瞬間を切り取ってブロマイドでください

美の擬人化か???

情緒が反復横跳びしすぎて自我が分裂しそう

立てばベルばら
座れば美
戦う姿は戦闘狂

ダメだ美が被った(ベルばらは美の代名詞なので)
語彙力が欲しい。

とりあえず、一文字則宗はいいぞ…。

光源氏について

あまりに美しい。

「私は美しいから」に説得力しかない

女を捨てないしちゃんと養うから当時からしたら理想の貴公子。

ただし現代の価値観では倫理観ログアウトした「殴りたいイケメン」

作中では光源氏は恋多き人だけど、初恋の人を思い続けている一途さから虚しさを感じた女たちは出家したりと光源氏の元を去っていく話でもあるんですよね。

他の人の感想みると、「あまりにも瀬戸かずや…」「花組の男…」という断末魔が聞こえてきました。

花組の男って、女たちを夢中にして狂わせる魔性の男って意味なんです??

しかも男役で二番手を務めた方とのことですが、このレベルでトップスターじゃないの!?と衝撃でした。

正直、全員トップスターと言われても信じますが…。

スターの定義が分からなくなりました。

歌仙と大倶利伽羅の喧嘩するほど仲がいい関係性はいいぞ

序盤から信頼感が見えながらも普通に言い合いをしてる二振がかわいい。

大倶利伽羅も素っ気ないふりして自分からも歌仙に突っかかりにいってるので仲がいいなぁと微笑ましいです。

源氏物語の失われた本編について話してるときに、大倶利伽羅が「雲隠」ってサラッと言うの教養高くて好きです(下調べかもしれんがそれはそれで真面目さを感じられてベネ)(一方で下調べしてなくて山鳥毛に叱られる南泉が癒し可愛い)(南泉に教える体で観客にも教えてくれるのありがたい)

歌仙がそんな大倶利伽羅に「今ぼくが言おうとしたのに」って言っちゃうとこも虚勢のない素の気安さと仲の良さが感じられて良いですな。

ただ個体差というか和田歌仙より七海歌仙の方がコミュ力高めと言われてて笑いました。

大倶利伽羅と仲良いから?

歌仙の元主は細川忠興で奥様一筋で声を掛けただけの庭師を手打ちにしちゃうくらいで…いや手打ちにする前に口で言えというレベルではあるのでコミュ力差は元の主の影響だった??

御前と山鳥毛の先代当代の関係性がカッコ良い

時間遡行軍に対峙したとき、一文字則宗が「誉をあげろ!…と言いたいところだが」と言って山鳥毛へ譲るの、先代と当代の信頼と関係性が見えて良いなぁとなりました。

シェイクスピアやトロイの遺跡の話がサラッと出てくる御前
それに対して「胡蝶の夢」の話題も自然に続ける山鳥毛

二振とも教養と雅が天元突破してます。

そして一文字則宗と山鳥毛のタッグマッチとかいう燃える展開。

「お前さんにジジイの背中を任せるとするか」
「何を仰る。隠居とは名ばかりでしょう」
「さぁ、どうかな!」

これこれこれ!
一文字派好きならこれを嫌いな人はいないでしょう!(クソデカ主語)

禺伝の深掘り感想

深掘りするほど様々な視点が見える、噛むほどに味が出るスルメのような良作。

矛盾要素のオンパレード

女性が刀剣男士を演じるという矛盾
物語を歴史にするという矛盾
源氏物語に矛盾を起こさせて破綻させるという矛盾

目に見えて分かるものだけでもこれだけあるのですが、矛盾の散りばめ方がいっそエグイほどにあります。

一文字則宗をやってる綾凰華さんは司馬遼太郎原作の「誠の群像」で沖田総司をしていたと教えていただいてエモさに萌え狂いました。

沖田総司との物語を、実際は違う偽りの話だと、あんな慕わしげな声で言った一文字則宗が!

沖田総司と同じ天然理心流の構えをしながらもそれがあっという間に崩れていって、骨のない薄っぺらい偽りはこんなものかと自嘲していた一文字則宗が!

菊一文字を振るった物語の沖田総司役!!

また一文字派での序列は一文字則宗、山鳥毛、姫鶴一文字、南泉一文字になりますが、宝塚の順の方では全く逆で、最年長の一文字則宗がメンバーの中では一番下級生で、末っ子だった南泉が一番上なんだそうです。

そして光源氏を演じられた瀬戸かずやさんは花組時代に「源氏物語」の頭中将を演じられています。

そんなとこにも矛盾を仕込むか??

メタ視点だけど末満さん狙ってない?マジで??

いや狙っただろ。

七海ガラシャ様と七海歌仙のあの関係性を構築した末満さんが既に見えてるネタを仕込まないはずがないんだわ。

丁寧に舗装された地獄を描かせたら一級品の脚本家やぞ!!(血涙)

更には、宝塚歌劇団は、花組・月組・雪組・星組・宙組の5組に分かれているのですが、宝塚出身の方たちは花・雪・星・宙を経験された人はいるのに、月の人はいないのだそうです。
刀剣乱舞で月と言ったら一振しかいないんですよ…。
もはや怖い。

EDの番傘の回す向きが今までの刀ステとは逆回しだという感想も見かけて震えました。

禺伝は左回し
今までは右回し

Blu-ray見返しました。
マジでした。
どんだけ仕込んでんだ…。

顕現実験用疑似本丸という怖さ

時の政府が主導して行ってるってことで良いんでしょうね。

刀剣男士を実験台にする時の政府とか創作で見た記憶はありますが、軽率に二次創作の壁を超えてこないでほしい…。

本来の逸話とは違うものを与えられた、あるいは取り除かれたのが歌仙と大倶利伽羅。

一文字派の三振にも逸話が付与された訳ですが、戦闘時の台詞が違うように別の刀剣男士も混じってますよね?

小烏丸、へし切長谷部、にっかり青江。

一振の刀剣男士に別の刀剣男士の要素を入れる。

めちゃくちゃ覚えがありますが…。

審神者が日常で、日課任務としてやってるのですが…。

刀剣男士の力を強化するため、別の刀剣男士を練結してますが…。

時の政府くん、なんかやべーこと審神者にさせてません??

なんかデータ取って利用してません???

怖いけども偽りの逸話を下敷きにした彼らの関係性と物語を知っていきたいと思えるのも凄い。

これも禺伝の魅力だと思います。

禺伝では九曜と竹雀のえにしは存在しない

禺伝では偽りの逸話を付与された二振は細川伊達の関係じゃないから九曜と竹雀のえにしのいざこざは発生してないのでは?という考察を見かけて目から鱗。

確かに!!!

歌仙は夫から妻へ渡っただけだからあまり変わらないのかも知れない(綺伝でガラシャ様が歌仙に貴方が私の刀だったら〜と声かけた優しさが偽りのとはいえ現実になった地獄みからは目を逸らす)

伊達の大倶利伽羅じゃないから光忠や鶴丸、貞ちゃんたち伊達の刀との関係性は違うものになってる訳だ(代わりに徳川の刀との縁があるだろうけど)

「俺一人で…」って言っちゃう大倶利伽羅だから基本の骨子は変わらないんだろうけど歌仙とはなんだかんだ気安い気がします。

歌仙が伽羅を信頼して単独行動の別任務を任せたり、伽羅も歌仙からの呼びかけに「俺一人でいい」とは言わずに「いちいち言うな」と遇らったり。

それでも歌仙は伽羅相手に人見知りを発揮せず「朝ぼらけの空に心奪われるだろう?」と問いかけてんですよね。

それに対して伽羅は「さぁな」と応える。

否定もしないし「どうでもいい」とは言わないんだなぁとニヨニヨしましたね。

自分は7面で殴り合って今の距離感になったのかと思ってたんですが、回想自体がなかったなら、この本丸で、この二振だからこそ培ったえにしですよ。

なんだそれエッモ。

禺伝は優しい地獄に満ちた美しい物語

禺伝はすべての創作者とそれらを愛した読者への優しさに満ちた話でもあり、刀剣男士たちは優しいと再認識した話でもあります。

禺(人形)に心を与えるのは愚かなことと作中で語られます。

確かにその心優しさ故に人を斬り捨てる苦しみを味あわせてしまっている審神者も時の政府も愚かなんでしょうね…。

なのに彼らは例え偽りでも嘘であっても、それらの物語から受け取ったものはあったはずで
自分の心のうちから生まれたものもあるはずで
それは嘘じゃないと言ってくれます。

悲しみも苦しみも心があるから生まれるけれど、何かを愛しむ気持ちも心があるからこそだと知っているんですよね。

偽りの物語を振り切って、自身の本来の逸話を取り戻した後でも、歌仙にしろ一文字則宗にしろ偽りの物語すら愛しんでくれています。

偽りの物語、偽りの主だったとしても、愛して愛された気持ちは嘘じゃないと信じたいのかもしれません。

彼らにとってはガラシャ様で、沖田総司です。
否定なんかしたくないでしょうね。
その気持ちもまた心があるからなのですが。

………鍵を開けた鳥籠の中に舞い戻り、自ら囚われようとする小鳥を幻視したんですが。

「強さとは愛」「愛は鎖」を体現しないでくれ軽率に狂うから。

どうして人を愛しむ美しいはずの物語にエグみを見出すんだ我。
刀剣男士の優しさを考慮した上での実験本丸だとしたら、時の政府くん業が深いどころじゃないんですが。

ここは美しい地獄の一丁目ですか?

深掘りして深掘りして地獄まで掘り進めて自爆してしまった感がひどい。
いやこれは勝手な解釈なので…きっと他の方の解釈だとまた見える地獄は違うのでしょう。(地獄であることを前提にするんじゃない)

大千秋楽のネタバレ感想はこちら。
新たな地獄が発掘されてしまいました。

禺伝の配信について

初日と大千秋楽の配信があります!

初日配信は逝ってしまいましたが大千秋楽は2/19にライブ配信が、2/20にはディレイ配信が公開です。

どれだけ進化したか楽しみです(地獄度が上がってたらどうしようかといらん心配もしてます)(解釈によって地獄度が上がったんですが!!)

この狂い感想で少しでも興味をもたれた方はぜひご覧になってみてください。
刀ステとしても一つのエンタメ作品としてもかなり完成された素晴らしい作品だとおすすめします!

また配信を購入すると映像特典が付くのですが、今回の禺伝ではスイッチング2セット配信を購入すると「アフタヌーンティーの時間」が付いてきます!

………なんで?

いやまぁ今までも餅をついたりメロン狩りしたりしてましたけども。
お菓子作りをしてたのは虚伝だったかな。

刀ステは本編で地獄を魅せて情緒をへし折った後にトンチキ映像で逆方向に捻りにくるのなんでですかね。
(元に戻そうとして?それたぶんギャップに耐えられずにグッピーなら死ぬし金属なら疲労骨折で折れるやつ)

それを思えばこのファビュラスな美の集合でアフタヌーンティーという麗しい絵面になることが確約されてる今回の特典はまだ理解ができる…かもしれない。

宝塚の方でお茶会(ファンミーティング)の文化があるそうなのでひょっとしてそこ由来なのかな?

千秋楽配信

■ライブ配信[全景(定点)映像]:2023年2月19日(日)12:30公演

販売価格 2,500円(税込)
販売形式 ライブ配信+ディレイ配信
販売期間 2023年2/12(日)12:00~2/23(木・祝)18:00まで
ライブ配信時間 2023年2/4(土)11:30~ライブ配信終了まで(予定)
ディレイ配信期間 2023年2/20(月)18:00~2/23(木・祝)23:59まで

■ライブ配信[スイッチング映像]:2023年2月19日(日)18:00公演(特典映像付き)

販売価格 2,500円(税込)
販売形式 ライブ配信+ディレイ配信
販売期間 2023年2/12(日)12:00~2/23(木・祝)18:00まで
ライブ配信時間 2023年2/19(日)17:00~ライブ配信終了まで(予定)
ディレイ配信期間 2023年2/20(月)18:00~2/23(木・祝)23:59まで

<配信に関するお問い合わせ> DMMサポートセンター(24時間・365日受付) 
https://support.dmm.com/
電話番号:03-6670-3911

 

禺伝の円盤について

初回限定版 には今までの刀ステに出演した42振が一堂に会す「七周年感謝祭-夢語刀宴會-」公演 チケット最速抽選申込券が封入されていますし、TOHO animation STORE期間限定特典にはBlu-ray/DVD発売記念イベント抽選参加応募券も付いてきます。その他の各公式サイトでの特典違いなども掲載あり。

いや待て?あの美の集団に生で??溶けるんじゃないか??

リリイベ登壇者:七海ひろき(歌仙兼定)、彩凪 翔(大倶利伽羅)、綾 凰華(一文字則宗)、麻央侑希(山鳥毛)、澄輝さやと(姫鶴一文字)、汐月しゅう(南泉一文字)/瀬戸かずや(光源氏)
(敬称略)

刀ステの感謝祭(3日間しかない)(倍率は考えたくない)にも行きたいので先行抽選頑張りましょうね…!

予約期間は、2023年2月4日(土)10時~3月5日(日)23時59分まででチケット最速抽選申込券の封入は初回限定盤に付帯されていて無くなり次第終了となってしまいます。
早めに申し込みをしていきましょう。

Blu-rayやDVDの販売情報についてはこちらでまとめています。

 

https://mellow-meow.com/tousute-guden-3072

禺伝コラボカフェの開催予定あり。

とうらぶ関連のコラボカフェまとめはこちら
https://mellow-meow.com/tourabu-collab2023.html

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